2019 Fiscal Year Annual Research Report
Strengthening Party Leadership in the U.S. Legislative Process: A Behavioral Approach
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16K03496
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
松本 俊太 名城大学, 法学部, 教授 (90424944)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アメリカ連邦議会 / 政治指導者 / 分極化 / 行動論 / 政策過程論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、第1に、アメリカ連邦議会において進行している二大政党の分極化の一側面として増加している、議会指導部の裁量による議題や議事手続の選択と、その結果としての立法過程の帰結、および両者の関係を説明する。第2に、理論的には、議会指導部のパーソナリティ・政策過程と権力過程の偶然の結びつき・議会指導部と大統領や議員のネットワークといった、行動論的な理論枠組を用いる。 (1)理論面では、第1に、アメリカ連邦議会内の政党組織の強化の歴史的経緯、およびその間の連邦議会指導部の行動に関して、先行研究のリヴューを行い、その一部を論文の形で公表した。第2に、より一般的な理論研究として、社会学(とくにリーダーシップ・権力論・社会ネットワーク理論に関する分野)や公共政策学(とくに政策決定過程)の理論動向のリヴューを執筆した。第3に、議会制度一般について論じる前段階として、アメリカ連邦議会に関する概説書や、比較議会研究の文献を用いてリヴューを執筆した。 (2)実証面では、今年度は、計量分析を行うために前年度までに作成していた1973~2015年までの連邦議会議員のデータを2020年までに拡張させ、それを用いてデータ分析を行い、論文の一部に反映させた。 (3)同じく実証面では、比較事例研究を3本行った。1本目は、前年度に学会報告を行った直近の連邦下院議長3名の比較事例研究を修正し、論文の形で公表した。2本目は、より広く連邦議会全般や大統領との関連も含めた議会指導部の権限強化に関して4本の短い比較事例研究を行った。これは、2020年5月に著書(共著)の1章として刊行される。3本目は、「財政調整法」という制度を用いて上院におけるフィリバスターを回避して立法を行った事例3本の比較事例研究である。これは、2020年6月に開催される学会にて報告を行う予定である。
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