2020 Fiscal Year Annual Research Report
A historical analysis of the Japan-U.S. relationship regarding peaceful nuclear power and nuclear non-proliferation in the 1950s and 1960s and its contemporary implications
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16K03507
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
黒崎 輝 福島大学, 行政政策学類, 教授 (00302068)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 国際関係史 / ニュークリア・ヒストリー / 日米関係 / 原子力 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる今年度は、研究成果を公表するための作業に精力的に取り組み、その成果の一部を研究論文その他の形で発表した。 まず、これまでほとんど実証研究が進んでいない1950年代・60年代の日本のウラン濃縮技術開発に関する研究に取り組んだ。新型コロナ感染症問題の影響で予定通りにはいかなかったものの、国会図書館などで日本の原子力開発や日米原子力協力、日本の国内政治、日米関係に関する文献・資料を調査しつつ、英文の研究論文を作成した。しかし、本助成では論文の英文校正に必要な費用を賄えないため、この研究を来年度以降も継続し、その成果を英文論文として国際査読誌で発表することに決め、民間財団に来年度以降の研究助成を申請した。幸い助成を得ることができたため、この研究テーマには来年度以降も取り組み、できるだけ早く、その成果を国内外で公表したいと考えている。 また、主に海外に向けて英文で公開してきた本研究の成果を国内社会に還元することにも取り組んだ。昨年度、日本の再処理技術開発に影響を与えた国際要因について考察した論文を英文で発表したが、これを翻訳・修正し、研究代表者の所属機関の紀要に研究論文として発表した(研究発表の雑誌論文1点)。単なる翻訳ではなく、英文論文発表後の資料調査の成果を反映させたり、日本向けに加筆したりするなどして、日本の読者向けにより充実した内容になるように努めた。さらに、大学教育・一般向けテキストの作成に協力し、本研究を通じて得た知見を活かして日本の核政策に関する論考(「ヒロシマ・ナガサキから非核3原則へ」)を寄稿した。これを収録した図書は今年度末に出版された。
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