2018 Fiscal Year Annual Research Report
A study on French ""diplomacy for influence as a global player
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16K03515
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
渡邊 啓貴 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (80150100)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 政治学 / 国際協力 / 国際貢献 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究計画最後の年に当たるので、まとめの作業を中心に行なった。2018年6月にミラノの国際学会(国際関係史委員会)の会議に行った折にバデルパリ第一大学教授やカナベロミラノ大学教授と議論した。また日仏知的交流事業で12月にパリを訪れた時には、日仏知文化外交というセッションを企画してフランス人研究者と意見交換、また日本の文化外交についても広報した。また2019年2月には参議院・国際経済・外交に関する委員会で文化外交の要諦について報告を行った。さらに政策研究院が主催する文化政策委員会にも出席し、知見を深めると同時に意見交換にも努めた。 この間の成果としては、文化外交を政治・外交、経済・ビジネス、海外文化活動の三つの分野を結ぶ三角形による定点観測で海外活動の位置づけを行うという手法である。三角形の頂点を政治・外交活動におき、外交黙秘用の達成手段としての文化活動との相対的位置と相関関係について考察するのが文化外交研究だとする見方である。 たとえば経済的動機が大変強い場合には、経済から政府・外交に強い働きがあり、経済・ビジネス界は対外文化活動を通した広報外交を独自に強化するばかりか、政府に対する圧力も行う。たとえばさまざさまな経済活動に関する基準や条約の締結にかかわる問題である。しかし政府の側から、そうした問題の解決としての文化政策手段の起用化は強くない。政府が外交的約束をしている場合には、当然経済界と文化・文芸・教育分野での圧力は高まる。そのときの例としての文化活動の適切なケースを想定しなければいけないことは明らかである。しかしそうした例は日本外交では少ない。 こうした見方について上記研究会などで発表すると同時に、Discuss Japan(外務詞省英文広報web)で発表、またパリ日仏文化交流事業でも公表した。
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Research Products
(12 results)