2018 Fiscal Year Annual Research Report
Potential of Business to Build Peaceful Society: Focusing on Social and Economic Rights
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16K03520
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
片柳 真理 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (80737677)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 平和構築 / ビジネス / 信頼構築 / 社会的・経済的権利 / ボスニア・ヘルツェゴビナ / クロアチア |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、まず6月に国際開発学会春季大会において、第1回フィールド調査の結果をもとに「平和構築におけるビジネス-失敗、成功と可能性」と題した報告を行った。また、8月に広島大学平和センター主催により開催された国際シンポジウム「広島の平和、そして世界の平和―過去・現在・未来への展望」において、「ビジネスを通じた平和構築」と題した講演を行い、パネル・ディスカッションに参加した。これは公開イベントであったため、研究成果を広く発信する機会となった。11月には、米国ミシガン大学で開催されたSustainability & Developmentの学会において、主に第1回フィールド調査の結果をもとに、'Exploring the Potential of Business as a Peacebuilding Tool’という研究発表を行い、国際的な成果発信を実施することができた。 さらに、最終年度は2年目に実施予定であった第2回フィールド調査を、9月にクロアチア、3月にボスニア・ヘルツェゴビナと、2回に分けて実施した。その成果発表については今後の課題であるが、クロアチアでは予定していた靴工場に関する調査で経営陣、従業員に加えて元従業員まで聞き取りを行うことができ、ボスニア・ヘルツェゴビナでは若者が最近企業家ネットワークを設立したという新たな動きも明らかになり、充実したフィールド調査の内容であった。一方でビジネスが平和構築の推進に資する面を確認しつつ、他方で西欧への人口流出が顕著でありそれが企業活動に支障をきたしている現実も把握することができた。 最後に本研究開始以前からの調査内容をもとにしたものではあるが、英国コベントリー大学信頼・平和・社会関係研究所の研究者との共著である英語論文を修正して再投稿したことも最終年度中の成果であった。
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