2017 Fiscal Year Research-status Report
アフリカにおける多層的セキュリティ・ガバナンスの統合と交錯に関する研究
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16K03522
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山根 達郎 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (90420512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片柳 真理 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (80737677)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | セキュリティ・ガバナンス / アフリカ / 欧州連合(EU) / アフリカ連合(AU) / 国連PKO / 欧州対外行動庁(EEAS) / 安全保障 / 平和構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度については、まず5月から6月にかけて国内にてアフリカの国連PKOに従事する国連職員等、リソースパーソンへの取材を実施した。そこでの取材を通じて、アフリカのセキュリティ・ガバナンスについて探求する上で不可欠な、欧州連合(EU)の平和支援活動に関する担当部局の詳細のほか、マリやソマリアなどアフリカにおける紛争地における国連とEU、そしてアフリカ連合(AU)との関係について知ることができた。 さらに11月にはEU本部での取材を実施した。EUにおいては、EUの外交部門を担当する欧州対外行動庁(EEAS)の関連部局を往訪し、そこでは主にアフリカへの平和活動の実施に携わる複数の担当者にインタビューを行い、効果的な取材を実施することができた。 これを受けて、2月、本件研究代表者は、本件研究課題について、特にアフリカのセキュリティ・ガバナンスの状況と、EUでの取材内容について、学内の研究分担者との間で内部研究報告会を実施した。 また、3月には、本件研究分担者がオーストラリアに出張し、1990年代初頭にソマリアでの紛争解決で実施されたオーストラリア軍と市民社会組織との間で形成されたと見られるセキュリティ・ガバナンスの状況について取材を実施した。 さらに、3月には、本件研究代表者は、国外(タイ)での国際研究セミナーでもセキュリティ・ガバナンスについての報告を実施した。 以上のとおり、平成29年度は、EUでの現地取材を中心に行い、国際セミナーでも報告も実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度にはセキュリティ・ガバナンスに関する国内学会と国外での研究セミナー(英国)で報告を実施するとともに、マリ紛争を事例としたチャプター論文を共著書籍にて執筆(当該年度に刊行)することができた。その上で、平成29年度には、フィールドワークを中心に、研究代表者はEUにて、そして研究分担者はオーストラリアにて取材を実施することができた。当初は平成29年度中に国連本部(ニューヨーク)での取材を実施する予定で具体的にコンタクト・パーソンの選定と連絡先の入手に成功していたが、ニューヨークへの渡航を実施する直前に研究代表者の負傷により年度中の国外出張を断念せざるを得なかった。したがって、国連への取材については見送らざるをえず、その点において当初の予定から見てやや遅れていると判断した。この点については、平成30年度において実施可能な状況となっているため、本件研究課題の遂行については問題はないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は本件研究課題の最終年度にあたっている。 本件研究課題の遂行のまとめに時期となっているが、本件研究代表者は、自身の怪我により昨年度実施できずにいた国連での取材を執行する予定でいる。そこでは、国連PKOとEU、そして国連PKOとAUとの関係について、セキュリティ・ガバナンスの観点から関連国連部局や政府代表部に対し取材を行う予定でいる。 さらに、研究分担者は、今年度に2度目のオーストラリア出張を予定しており、ソマリアにかつて派遣された国連統合タスクフォース(UNITAF)に参加をしたオーストラリア軍の関係者への追加取材を実施する。 なお、国内での研究報告に加え、研究分担者と共に国外大学での研究報告会を実施する予定でいる。
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Causes of Carryover |
当該年度においては、国外出張として米国(ニューヨーク)での国連本部等への取材を予定していたが、直前になり研究代表者の負傷により断念せざるを得なかった。そのために次年度使用額が生じてしまった。怪我の順調な回復により、上記国外出張分については今年度に執行できる見込みとなっている。
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Research Products
(2 results)