2017 Fiscal Year Research-status Report
経済のグローバル化が貿易政策に与える影響:質的比較分析(QCA)を用いた実証研究
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16K03524
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤田 泰昌 長崎大学, 経済学部, 准教授 (40584694)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | 貿易 / 質的比較分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度に行った研究実績は、主に2つある。 1つは、研究デザインの変更である。トランプ政権の誕生やイギリスのEU離脱決定により、貿易政策の国際的な流れは、本研究課題の申請時から大きく変化した。また、因果関係の解明に最適な手法とされる調査実験が、近年政治学分野で利用されることが多くなってきている。この手法は、本研究の強調する質的比較分析(Qualitative Comparative Analysis: QCA)という分析手法とのマッチングも良いと考えられる。こうした情勢の変化に対応することで最良の研究成果を挙げるべく、説明対象を自由貿易協定とすることにして、かつ調査手法として調査実験を用いることとした。こうした研究デザインの変更に伴い、自由貿易協定や調査実験に関する先行研究を渉猟するとともに、同手法に関する学会や研究会に参加することを通じてコメントを受けるなど、調査実験実施に向けた準備を進めてきた。以上の準備を踏まえて、平成30年度の早い時期に調査を実施する予定である。 もう1つは、質的比較分析という手法に対する理解をさらに深めたことである。同手法に関する共著論文の執筆をBenoit Rihoux教授(ルーヴァン・カトリック大学)などと進めた。また(本研究課題とは異なるイシュー群ではあるが)、当該手法を分析に用いた研究を同時並行で進め、複数の学会やセミナーにおいて研究発表を行った。こうした成果を踏まえて、平成30年度の早い時期を目標に、学術誌への投稿準備を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究成果を最良のものとすべく、研究デザインの変更を図ったために、研究課題の進捗は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度においては、早い時期に調査を実施するとともに、学会発表や論文執筆を進めていく。
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Causes of Carryover |
(理由) 研究デザインの変更により、平成29年度分と平成30年度分の予算を合算して、平成30年度に調査実験を行う必要が生じた。そのため、平成29年度の予算を残すこととした。 (使用計画) 次年度に繰り越す使用額は、調査実験を委託する調査会社への支払いに使用する計画である。
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Research Products
(2 results)