2018 Fiscal Year Research-status Report
グローバル開発ガバナンス構築における「グローバル・サウス」の役割
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16K03527
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
大平 剛 北九州市立大学, 外国語学部, 教授 (30303605)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | IBON / CPDE / CSO / UNDCF / GPEDC |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は当初の予定通り、フィリピン・マニラにおいてインタビュー調査を行った。 まずは、GPEDCとUNDCFに関わっている市民社会組織(CSO)のCPDEとIBONを訪問し、インタビュー調査を行った。CPDEはIBON事務所を間借りしていることから、インタビューはIBON事務所で行うこととし、IBONのJeniffer del Rosario-Malonzo氏とCPDEのReileen Joy Dulay氏からお話を伺うことができた。両氏から両CSOにおける意思決定プロセスを伺うとともに、2つのフォーラムの性格および議論の実情について伺った。両氏によれば、UNDCFは国家主導の「フォーラム」に過ぎず、実質的な議論が十分にはなされていないということであった。また、UNDPが両方に関わっているのは、現地レベルでのコミットがあることと、政治的な理由からUNDPが関わることで正統性を付与し、OECD色を薄めることができるからだろうとの発言を得た。さらに、中国の立ち位置については、rights based approachに難色を示しながらも、人権を重視する国連の枠内にあるUNDCFに入っていることは矛盾しているとの見解であった。いずれにしても、どのステークホルダーもUNDCFには満足をしていないとのことだった。 次に、当初は計画に入れていなかったアジア開発銀行を訪れ、Sumita Nakhooda氏にインタビューを行った。彼女からはGPEDCは広いアジェンダを扱っており、ステークホルダーが多岐におよんでいることからあまり効率的ではなく、遅々として進まない印象があるとの発言があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年3月末まで学部長職にあったこともあって、研究は大幅に遅れている。当初は2018年度中に研究を終える予定であったが、1年の延長を申請した。2019年度はニューヨークにてインタビュー調査を行い、成果をとりまとめる予定でおり、現在は7月初旬の訪米に向けて関係機関に調査実施について打診中である。
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Strategy for Future Research Activity |
7月1日から3日間ニューヨークに赴き、GPEDCとUNDCFに関わっている機関の方々にインタビューを実施する予定である。それらの機関とは国連開発計画(UNDP)、国連南南協力事務所(UNOSSC)、UNDCF事務所、グループ77事務局である。すでにUNDPとグループ77事務局からは前向きな返答を得ている。また関連文献を読み進めており、年度後半は研究成果をまとめる作業に集中する予定でいる。
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Causes of Carryover |
2019年3月末まで学部長職にあって研究が進まず、当初計画の遂行が困難になったことから、1年間の期間延長を申請し認められた。研究費の残額については、7月にニューヨークの国連本部ビルを訪問して関係者にインタビューを実施することに大半を費やす予定でいる。
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