2016 Fiscal Year Research-status Report
留日学生、それぞれの日中戦争-マルチ・アーカイブによる留日学生の戦争行動研究-
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16K03533
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
浜口 裕子 拓殖大学, 政経学部, 教授 (20192536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家近 亮子 敬愛大学, 国際学部, 教授 (10306392)
広中 一成 愛知大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (40618576)
岩谷 將 北海道大学, 法学研究科, 教授 (80779562)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 留日学生 / 日中戦争 / 成城学校 / 国家記録院 / 国立中央図書館 / 中国人留学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は研究実施初年度であったことから、構成員のこれまでの研究実績に鑑みてそれぞれ担当地域を決めているが(浜口-満洲国、家近-国民政府支配区<直接・間接>および中国共産党根拠地、岩谷-日本軍占領地区、広中-親日政権と辺境)、担当地域を中心に関連史料収集に力を注いだ。また、そのデータベース化も実行しつつある。具体的な実施事項(主たるもの)とその成果は以下の通りである。 ①7月に北海道大学において研究会を行い、日本にある中国人留学生関係の史料の代表的所在地とその内容、使用実績に関する発表を聞き、共通の知識にするとともに、今後の研究実施戦略の再検討を行った(岩谷、家近、浜口)。同時に北海道大学が所蔵する関連史料の調査をした(浜口、岩谷)。 ②さらに8月に韓国に行き、国家記録院(大田)並びに国立中央図書館(ソウル)等を中心として共同史料調査に従事した(浜口、家近、広中、岩谷)。これらの機関の史料は現在電子化が進められており、日本でもある程度の検索が可能であることが判明したものの、史料の閲覧・使用に関しては海外からでは大きな制約があることもわかった。 ③東京新宿区にある成城学校の同窓会が所蔵する留日学生関連の資料を発掘し、選別、目録作り、データーベース化を進める。成城学校は戦前に陸軍予備校として作られ、朝鮮や中国からの留学生の受け入れも行っていた。同校の了承を得て、同窓会所蔵史料の中から、留学生関連の資料を選別し目録を作り、データベース化を進めている。 ④その他、京都府立図書館等の日中戦争関係の史料調査(家近)、等も成果をあげた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
成城学校の史料に関してはその整理と目録化、データベース化などを順調に進めている。だが、成城学校の所蔵する史料が膨大で、なおかつ非常に興味深いものであるため、その作業の完了には予想外に時間がかかりそうである。その他の史料も所在はさまざまつきとめてあるものの、なかなか成城学校以外の史料にまでたどり着かないのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
成城学校の留日学生関係の資料についてはデータベース化を急ぎ、一刻も早くその内容的検討を進めなければならない。平成29年度中に成城学校史料のデータベス化を終わらせ、成城中学・高等学校の協力を得た上で我々の研究会と共同で、これに基づくシンポジウムを計画することを本年度の第一目標とする。その際、周辺の史料も整理・検討を進めたい。
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Causes of Carryover |
物品費と旅費についてはほぼ予定通り使用した。比較的大きな差額が生じたのは人件費・謝金である。成城学校のデータベース化の作業は、古い史料をひとつひとつスキャナーにかけるため、注意深く人の手で行う必要があり、補助の人員が欠かせない。当該年度においても補助人員を使ったが、初年度ということもあり、構成メンバーが自身で作業を行い、ある程度慣れ、注意するところが把握できたところでそのやり方を補助員に教える、という手順をとった。このため補助員が作業をする実質的時間がそれほど多くはならなかった。また、3月分の謝金の支払いが遅れている。作業の流れがある程度わかってきたところで年度の終わりになったため、次年度以降に本格的に補助員を使う作業が持ち越された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
成城学校の留日関係資料のデータベース化の作業を補助員使って行うことが本格化するため、これにほとんどが使われる。また、東北大学への留日学生の研究や千葉大学への留日学生の研究を行っている方を呼んで研究の一端を披露していただく機会を設けることも予定しているので、その謝金も必要になるだろう。
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Research Products
(11 results)