2017 Fiscal Year Research-status Report
「ナッジ」と「インセンティブ」効果による公共財自発的供給メカニズム:実験研究
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16K03563
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡島 成治 神戸大学, 経済学研究科, 准教授 (50733549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船木 由喜彦 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (50181433)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 公共財ゲーム / 実験経済学 / ナッジ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、実験における公共財ゲームに関する先行研究を調べた。そのうえで我々独自の公共財ゲームを組み立て実験室で実験を実行し、その成果を論文としてまとめ、海外ジャーナルに投稿した。現在は、その海外ジャーナルのレフリーから頂いたフィードバックを基に論文を修正中である。今年度の基金は、主に上記の研究を遂行するための消耗品や旅行費の購入に当てられた。
1.公共財ゲームにおいて、そのゲームを数回繰り返しているのも関わらず、被験者の公共財への投資額が高い水準を維持するための実験デザインを組み立てた。具体的には、人々の行動を誘導させるような政策、つまりナッジと言われている正の効果を導き出すデザインである。その後、早稲田大学の政治経済学部の実験室にあるztreeというソフトウエアを使い、実験を行いデータを収集した。そして、Stataという統計ソフトを用いてデータ分析を行い、国内外のワークショップ等で報告し、海外ジャーナルに投稿した。現在はジャーナルのレフリーから頂いたコメントにある追加実験を実施している。なお、この研究を遂行するにあたっては、基金を用いてパーソナルコンピューターを購入した。また、基金は、論文執筆の際に、研究協力者との打ち合わせのための交通費に使われた。
2.さらに本研究において、本研究の拡張として、新たな研究デザインを考察している。具体例を挙げると、公共財への投資額が上位に人達を被験者全員に知らせる枠組み、投資額が上位の人達だけに投資した分の見返りが生まれる枠組み、被験者が支払った投資額を2倍にするマッチング等の実験デザインを考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験デザインを組み立て、実験を実行しその後データ分析した。その結果をワークショップ等で発表し、論文を海外ジャーナルに投稿した。そしてレフリーからコメントを頂いたのでそれを基に論文を修正中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はレフリーからのコメントにあった被験者が支払った投資額を2倍にするマッチングの実験を追加で実施し、ジャーナルに再投稿する。また本研究の拡張として、公共財への投資額が上位に人達を被験者全員に知らせる枠組み、投資額が上位の人達だけに投資した分の見返りが生まれる枠組みを考えている。
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Causes of Carryover |
追加実験として被験者謝金と学生謝金を計上していたが,今年度は実験を行わなかった。そのため,被験者への参加費と実験補助の謝金は0となった。また,英語論文についての校正費は今年度末までに投稿準備が完了しなかったため,計上しなかった。
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