2019 Fiscal Year Annual Research Report
Cooperative solutions (cores) of games with differential information
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16K03566
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
野口 光宣 名城大学, 経済学部, 教授 (00208331)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 協力ゲーム / ベイジアンゲーム / 不完全情報ゲーム / タイプ / 非対称情報 / リアプノフの定理 / αコア解の安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の基本的対象は、ハルサニーのタイプ空間をランダムな私的情報として持ち、連続無限の行動選択肢(コンパクト空間)から、タイプに応じた行動を、タイプを知らされる事前段階で、所与の事前確率で評価された期待効用を指標に行動する、有限人のプレーヤーからなるゲームである。 当初の目的は、筆者らによって証明された(2014)、タイプ空間モデルにおけるαコアの存在定理を、知識モデルとの関連でより自然なシグマ・アルジェブラを私的情報モデルとした場合に証明することであった。その場合、各プレーヤーは状態依存の純粋行動(純粋戦略)を選択する。証明の方針は、状態依存の混合行動(ヤング測度)バージョンのαコアの存在をはじめに証明し、後に、リアプノフの純粋化定理を用いて、前述のαコアが純粋戦略のαコアと同等になることを証明するというものであった。 数学的問題としては、リアプノフの純粋化定理の多重積分化が必要になるが、二回の国内・海外での学会発表を経て、Journal of Mathematical Economics(2018)への掲載論文として結実した。 2018年~2019年度研究の目的は、不完全情報協力ゲームのαコアの安定性の解明へとシフトした。ゲームの基本モデルとしては、私的情報としてハルサニーのタイプモデルを用いるミルグロムとウエッバー(1985)のものを用い、事前確率(情報構造)と利得関数が同時に摂動するときのαコアの安定性を、古典的なフォートの定理(1950)を応用して証明した。 上記研究期間に二回の国際学会と、一回の国内学会での発表を経て、論文「非完備情報ゲームの純粋化可能なαコア戦略の安定性について」が完成した。現在欧文誌に投稿し、査読中である。上記論文は、ゲーム理論的予測の信頼性について、理論的基礎を提供する。
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