2018 Fiscal Year Annual Research Report
Marx's research on credit and crisis at the end of the 1860s (edition of excerpt notebooks and its utilization)
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16K03579
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
竹永 進 大東文化大学, 経済学部, 教授 (00119538)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マルクス / 恐慌 / 資本論 / 抜粋ノート / 綿花飢饉 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は本基金による3年間の研究の最終年度にあたるが、昨年までの作業によってすでに抜粋ノートの部分については完了しているので、今年度はマルクスが主としてThe Daily Newsという日刊紙から行なった切り抜きが収められているノート番号P101,P102,P103の記事の内容をワードファイルに転換することが中心となった。 このための前提作業としてマルクスが切り抜いてノートに貼り付けているそれぞれの記事がどの新聞のどの日付のどのページのどの箇所からのものかを確定しなければならなかった。この作業は前回の科研費補助金によってかなりの部分が完了していたが、なお不明のままの記事もいくつかありこれを確定するにはどうしてもBritish Libraryでの直接の調査が必要であった。このため、10月末日からの連休の一週間ロンドンに出張して調査を行い、それまで未確定であったかなりの項目について明らかにすることができた。しかし残念ながらなお若干の不明項目が残った。 この作業を元に上記3冊のノートのテキスト化の仕上げに努力したがP103のノートだけは最終的なテキストの形までもっていくことができなかった。結局本基金によって作業を終えることができたのは対象となる7冊のノートのうち6冊にとどまった。 と同時に2018年はマルクスの生誕から200年目にあたり、『資本論』第1部刊行から150年目にあたる昨年度に引き続いて、日本国内の関連7学会が合同で国際コンファレンスを企画した。本研究代表者は経済学史学会からの代表委員としてその実行委員会に加わり、コンファレンスの準備と運営に協力した。12月22・23の両日に法政大学市ヶ谷キャンパスを会場に国内外から200名を超える参加者を得て、21世紀初頭の現代世界におけるマルクスの理論と思想の意義について議論を深めると同時に研究者間の新たな研究協力関係が構築された。
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Research Products
(7 results)