2019 Fiscal Year Research-status Report
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16K03583
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
大友 敏明 立教大学, 経済学部, 特定課題研究員 (90194224)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 中央銀行の独立性 / 中央銀行 / 地金論争 / 貨幣政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は「ヘンリー・ソーントンとイングランド銀行の独立性」の英訳の改訂版を執筆した。また「リカードウと国立銀行の独立性」と「ステュアートの公信用論」の論文作成に着手した。夏季休暇中には、ケンブリッジ大学図書館で資料収集を行った。 リカードウの国立銀行の独立性に関する論文の要点は次の点にある。(1)リカードウは初期の『地金の高価格』から一貫してイングランド銀行は政府に従属しているという金融従属説の立場をとっていた。1824年の『国立銀行設立試案』は国立銀行の独立性を主張することでリカードウのあるべき中央銀行の姿を示した点にその意義がある。(2)リカードウが示した国立銀行の独立性の根拠は、ソーントンの独立性論を批判する形で構築されている。(3)リカードウの独立性論の根拠は、第1に金融と財政を完全分離し、国立銀行は通貨の発行業務以外の業務を行わないこと,第2に銀行券の発行量の調整は金の価格や外国為替相場を考慮したルールにもとづいて行うことであり、第3に銀行券の兌換支払いを国家に義務づけることにある。 ステュアートの公信用論の論文の要点は、イングランド銀行や南海会社などの特権会社による国債引き受け制度が崩壊したことに伴い,外国の投資家層を含む貨幣階級(moneyed interest)の肥大化を阻止するための政府の国債管理政策の意義と限界を考察することである。特にステュアートが国家債務を清算するために必要性を説いた減債基金制度を考察することにある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
論文の完成が遅れている。英訳の改訂作業に時間を要しているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
第1に、「リカードウと国立銀行の独立性」の論文を完成させる。第2に、「ステュアートの公信用論」の論文作成を継続する。
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Causes of Carryover |
2020年度に英文校正費を支出するために繰越しをした。また夏季休暇中に海外出張費を支出する予定である。
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