2018 Fiscal Year Research-status Report
スコットランド啓蒙の文明社会史論と経済学―スミスとロバートソンを中心に
Project/Area Number |
16K03586
|
Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
古家 弘幸 徳島文理大学, 総合政策学部, 准教授 (30412406)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 国際研究者交流 / ブリテン / 啓蒙 / 経済思想史 / アダム・スミス / 文明社会史論 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年6月にマドリード大学にて開催された欧州経済思想史学会 (ESHET) において、‘National Defence and the Wealth of Nations in Adam Smith’との題目で研究発表を行った。アダム・スミスについての研究書『アダム・スミスの商業文明』(仮題) の根幹部分の議論を発展させることができた。続けて9月に明治大学で開催されたInternational Conference on Economic Theory and Policyでは、‘Adam Smith on the State: Cosmopolitan or Economic Nationalist?’との題目で、同じ議論をさらに別角度から捉え直すことができた。
また、11月に徳島文理大学大学院総合政策学研究科にて行われた総合政策学研究会第6回研究例会では、「スコットランド啓蒙―社会科学の源流」との題目で発表を行い、上記のスミスの議論を含めて、スコットランド啓蒙の文明社会史論について、あらためて振り返ることができた。発表の要旨を、11月に出版された『歴史と地理』(山川出版社) 第719号に掲載された「読書案内 啓蒙思想」で、一般向けに紹介した。
並行して、2019年3月に出版された『ピューリタニズム研究』(日本ピューリタニズム学会) 第13巻で、Gordon Pentland and Michael T. Davis, eds., Liberty, Property and Popular Politics: England and Scotland, 1688-1815, Essays in Honour of H. T. Dickinson (Edinburgh: Edinburgh University Press, 2016)についての書評を発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した「平成30年度の研究実施計画」から細部が変更されたものの、アダム・スミスについての研究書の執筆を継続した。6月の欧州経済思想史学会 (ESHET) での個別研究報告の後、夏季にはスコットランドのエディンバラ大学、およびスコットランド国立図書館 (NLS) において資料収集等を行い、エディンバラの研究者と意見交換を行うことも、研究実施計画の通りに実行出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
アダム・スミスについての研究書の執筆を継続する。並行して2019年6月にニューヨークのコロンビア大学にて開催される北米経済学史学会 (HES) において個別研究報告を行う。続けて9月に明治大学で開催されるInternational Conference on Economic Theory and Policy、および10月にシドニー大学にて開催されるオーストラリア経済思想史学会 (HETSA) においても、スミスについての個別研究報告を行う予定である。また、11月にキャンパスプラザ京都・京都大学サテライト講習室にて行われる日本ピューリタニズム学会関西部会では、ウィリアム・ロバートソンについての個別研究報告を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
次年度に旅費がかさむため、多少の予算を残して支出した。交付申請書の研究実施計画で記した通り、海外での学会発表の費用として用いる計画である。
|
Research Products
(12 results)