2019 Fiscal Year Research-status Report
多変量Beveridge-Nelson分解の拡張と景気分析への応用
Project/Area Number |
16K03605
|
Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
村澤 康友 甲南大学, 経済学部, 教授 (00314287)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | トレンド / サイクル / 自然率 / ギャップ / 単位根 / 共和分 / ベクトル誤差修正モデル / ベイズ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題に関連する2019年度の研究実績は,紀要掲載論文1本,国際学会発表1件,国内学会発表1件である. 学会発表2件は,I(1)とI(2)が混在する共和分時系列の多変量Beveridge-Nelson分解をベイズ推定する手法を開発し,アメリカの主要マクロ経済変数の自然率とギャップの同時推定に応用した研究である.国内学会発表の討論者から重要な指摘を受け,それを踏まえて論文を改訂し,引き続き査読付き国際学術誌に投稿中である. 紀要掲載論文は,上記の研究を簡略化し,ベイズ法の代わりに最尤法を用いて,日本の主要マクロ経済変数の自然率とギャップの同時推定に応用した研究である.日本のデータでは,従来のBeveridge-Nelson分解が不自然な結果を与えることが知られているが,本研究が提案する手法では自然な結果が得られることが確認された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題「多変量Beveridge-Nelson分解の拡張と景気分析への応用」の成果として,I(1)とI(2)が混在する共和分時系列の多変量Beveridge-Nelson分解をベイズ推定する手法を開発し,アメリカの主要マクロ経済変数の自然率とギャップの同時推定に応用した研究を,国内外の学会で報告できた.査読付き国際学術誌への掲載に向けて,論文のさらなる改善が必要であるが,その方向性は定まっている.
|
Strategy for Future Research Activity |
I(1)とI(2)が混在する共和分時系列の多変量Beveridge-Nelson分解をベイズ推定する手法を開発し,アメリカの主要マクロ経済変数の自然率とギャップの同時推定に応用した研究は,国内外の学会で報告し,有益なコメントをもらえたので,引き続き論文の改善と査読付き国際学術誌への掲載決定を目指す予定である. 2020年度が最終年度となるので,次のステップへの準備も始めたい.
|
Causes of Carryover |
残額は誤差の範囲内と考える.次年度の予算と合算して国際学会参加費として使用する予定であったが,COVID-19の影響でほとんどの学会が中止・延期となっており,状況によっては翌年度への繰り越しも避けられないかもしれない.
|
Research Products
(3 results)