2019 Fiscal Year Annual Research Report
International Migration of High-skilled Labors and Accumulation of Human Capital in Asia
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16K03609
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Research Institution | Gakushuin Women's College |
Principal Investigator |
宇野 公子 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (80558106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 朝夫 東北大学, 情報科学研究科, 名誉教授 (80159524)
加藤 真紀 一橋大学, 森有礼高等教育国際流動化機構, 准教授 (80517590)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 国際人口移動 / 人的資本形成 / 留学行動 / キャリア形成 / 二国動学モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
出身国別に教育レベルの異なる移民が行った目的地選択の決定要因を表現するモデルを,OECDの移民に関するデータベース(DIOC)とILOの労働統計(ILOSTAT)から得られるデータを組み合わせて推定した。具体的には,173からの移民が73の受入国を選択する行動を,マルチレベル線形混合回帰モデルを用いて分析することで,出身地域による差異を考慮した。基準年は2010年であり,出身国・受入国の組合せ,性別・教育水準・移民後の就業状態で区分された約178千サンプルを得た。結果として,出身国と受入国の失業率の差が移民を促進し,平均賃金の差は抑制すること,教育水準が高いと移民率が低下することが確かめられた。 またASEAN加盟国の高度人材(大卒者)の域内移動と域外移動の推移,及び高度人材育成との関連を,他の経済共同体(欧州・北米・中南米)と比較して明らかにした。その結果ASEAN圏内では,シンガポールとマレーシア等の特定国の繋がりの寡占度合いが他共同体と比較して大きいことや,人材集積との正の関係が明らかとなった。さらに日本を対象に,大学院のSTEM(科学・技術・工学・数学)分野における女性比率が留学生によって受ける影響を,米国との比較を通じて明らかにすることを試みると共に,近年増加が著しい短期留学が学生のキャリアに与える影響を,日本のデータに基づくランダム割当てを用いて分析した。結果的に,短期留学は長期留学を促すこと,キャリア面では日本の上場企業への入社確率を下げるが,外国資本比率が高く財務的に規模の大きい企業への集中を促すこと等が示された。
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