2017 Fiscal Year Research-status Report
国際航空輸送産業における企業行動の多様化と制度の再設計についての実証・理論研究
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16K03612
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
遠藤 伸明 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (00293085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 保規 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (90383950)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 航空 / 提携 / オープンスカイ / 規制・制度 / 国際投資 / 戦略的行動 / 寡占的行動 / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国際航空輸送産業における航空会社の企業行動とそれらにかかわる政策と制度設計上の課題について理論的・実証的研究を行う。国際比較研究の視点ならびに学際的な視点から、国際航空輸送産業における航空会社の多様な行動の事例を収集し、それらの実態と特徴を明らかにするとともに、経済的・社会的影響とそれらに対する各国政府の政策展開と政策調整の実態と課題について考察する。 本年度は大きく3つの研究を行った。第1に、空港発着枠・空域の配分方法と価格設定(前年度から継続)、新規ビジネスモデルとその参入効果、これら2つのテーマの先行研究を詳細にサーベイ・レビューし、本研究における理論的・実証的枠組み・モデル、仮説・論点、変数並びに変数間の関係を整理した。 第2に、グリーンフィールド投資や国境を越えた合併・買収などの国際投資について、全事例における資本関係並びに各国の外資規制のデータベース化、特定の事例におけるコミットメントと統治にかかわる企業特殊的インセンティブと投資先国の制度的インセンティブについてのケーススタディ、企業特殊的・制度的要因と国際投資との関係についての計量分析などを行った。 第3に、航空会社間の提携行動について、共同事業をはじめとする深化した提携の内容(運賃、商品開発、スケジュール・路線など)、意思決定プロセス、技術やブランドの移転など企業特殊的経営資源についてのデータならびに提携対象外路線の設定、発着枠の返上・放出など、提携をめぐる独占禁止法とその適用除外にかかわる政策のデータを収集した。また、太平洋線における提携とそれに伴う旅客数・便数・ロードファクターなどネットワークに与えた影響について、データを収集するとともに予備的な考察を行った。さらに、複数航空会社間の提携を取り込んだ新たなモデルの構築を通じた、提携の形成過程、市場均衡や生産性への影響について予備的な考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究打ち合わせを定期的に行うとともに、進捗状況を確認してきた。その結果、当初の計画をおおむね実行することができた。また、当該年度は、データ収集に加え、国際投資の要因や提携行動について分析を行うとともに、学会報告ならびに論文投稿で研究成果を発信している。以上の点から、このような判断を下した。
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Strategy for Future Research Activity |
収集したデータを整理するともに、それらの理論・実証分析に着手する。研究成果を国内、海外の学会で発表するとともに、学術雑誌に投稿する予定である。また、定期的な研究打ち合わせを継続するとともに、本研究を着実に推進できるよう進捗状況を確認する。
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Causes of Carryover |
少額設備の購入を見送ったことから、若干の残高が発生した。海外での学会の参加費が上昇することが予想されるため、それに充当する。
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