2016 Fiscal Year Research-status Report
メッシュデータを活用したコンパクトシティの効果と政策手法の分析
Project/Area Number |
16K03614
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
沓澤 隆司 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (90418773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 博雅 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (00738958)
森岡 拓郎 政策研究大学院大学, 政策研究科, 講師 (80725507)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コンパクトシティ / GIS / 標準距離 / 1人当たり財政支出額 / パネルデータ / 温室効果ガス / 1人当たり課税所得 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、コンパクトシティの進展の状況を指標化した「標準距離」(中心点から各メッシュまでの距離について人口で加重した標準偏差)をGISを活用することにより算出した。この標準距離の指標を 説明変数として、1人当たり財政支出額の総額、性質別(建設事業、維持補修費、人件費など)、目的別(民生費、土木費、教育費など)の額をパネルデータ化し、さらに都市の集中度がこれらの1人当たりの財政支出額に与える影響を分析し、標準距離が10%縮減した場合に1人当たりの財政支出額が1.7~2.7%減少するとの結果を得た。 さらに進んで、都市の集中度が進行すれば、土地の有効高度利用により地域の資産価値の上昇や固定資産税等の税収増が想定されることから、地価等の資産価値や税収に与える影響分析を行い、都市の集中度が資産価格を上昇させ、税収増の効果が生ずることが明らかとなった。 CO2等の環境負荷の低減に与える影響として、都市の集中度が上昇した場合、都市の移動距離が短縮され、CO2等の温室効果ガスの排出量の削減等の効果が見込まれる。これを検証するため、CO2排出量に都市の集中度が与える影響について都市の集中度上昇による環境負荷の低下の効果を算出した。 集中度の上昇は経済主体間の経済交流や取引の増加、経済成長に寄与することが先行研究で部分的に示されていることを踏まえ、包括的な検証のため、集中度が課税所得や都道府県の1人当たりの生産額に与える影響について検証した。 併せて、平成28年度は、コンパクトシティに関する政策の認知度やその政策に対する地域住民の方の評価や協力意向を調査するため、インターネット調査を行い、次年度以降のコンパクトシティの形成のための効果的な政策の分析に必要な資料の整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は、平成28年度に実施する予定として、コンパクトシティ形成の指標となる全国の都市の標準距離の計測を行うこととその標準距離が1人当たりの財政支出額への影響を分析することを想定していた。しかし、予想以上に早く標準距離の指標の作成や財政支出額への影響分析を行うことができたので、本来29年度に行う予定であった地域の資産価値の上昇やそれに伴う税収増加、温室効果ガスの排出量、1人当たりの課税所得への影響を分析するとともに、コンパクトシティについての住民の認知度や政策評価のためのインターネットによるアンケート調査を前倒しで行っており、当初の計画以上に研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、28年度の成果を踏まえ、コンパクトシティ形成に向けた都市の人口や市街地の集中化の施策について、考えられる施策の都市のコンパクト化に向けた効果、効果と費用との比較等を行うとともに、こうした施策に関する有識者へのヒアリングを踏まえて、コンパクトシティに向けた方向性とそのための効果的・効率的な政策手法を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
アンケート調査やデータ分析に必要な物品費が予想以上に廉価で済ますことができ、次年度以降の調査分析に充当することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度のもっとも大きな課題であるコンパクトシティの政策の効果分析に必要なデータ分析等に充当することとする。
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