2020 Fiscal Year Annual Research Report
Limitations of Bilateral Aviation Policy and Efficiency, Feasibility and Stability of Multilateral Aviation Liberalization Agreements
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16K03628
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉田 雄一朗 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (70339919)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 交通ネットワーク / 土地利用モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、最適な交通ネットワークが満たすべき必要条件をより一般的なフレームワークのもとで明らかにするための理論的研究を行った。社会的に最適な資源配分状況のもとでは、交通ネットワークの限界的改善による便益はそれにともなう資源の節約として測定される。この交通の限界的改善は均衡配分を変更するが包絡線定理によればこの再配分は厚生に影響を及ぼさないため、資源の節約は改善前の資源配分量および価格体系で評価することができる。交通ネットワークの改善前の資源配分状況を物理的な場所で表すと、交通ネットワーク改善による資源の節約は改善によって引き起こされる総輸送費用の削減に等しくなる。こうしたこれまでの知見に対しArnott and Stiglitz(1981)で最初に導入された変数変換を使用することにより、この研究は改善前の資源配分を物理的な場所ではなく交通費用によって表される場所によって定義し、輸送改善の効果を評価する新しい方法を導出した。この変数変換を適用することにより、交通の改善はより交通費用の低い地点に本質的に新しい土地を生み出すことによって都市の交通コストの形を変えると解釈される。したがって交通改善の便益は生成された新たな土地の総差額土地地代を改善前の地代で評価した額によって測定されることになる。本研究ではさらに、この結果が広い一般性を持ち、また既存の文献の結果を統合および再解釈することができることを示した。こうした本研究の成果は“A New Way of Evaluating the Benefits of a Transportation Improvement in a Class of Urban Land Use Models”という題名の論文としてまとめられており、現在、国際学術誌に投稿中である。
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