2017 Fiscal Year Research-status Report
デマンドレスポンス社会実証による省エネ習慣形成に関する経済分析
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16K03641
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
牛房 義明 北九州市立大学, 経済学部, 准教授 (90343433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 尊秋 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (20293079)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | デマンドレスポンス / スマートコミュニティ / 習慣形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
デマンドレスポンス社会実証は、経済産業省が実証地域として2010年に選定した神奈川県横浜市、愛知県豊田市、京都府けいはんな学研都市、福岡県北九州市において実施された。そして各地域のデマンドレスポンス(ダイナミックプライシング)社会実証において節電効果が確認されたことで、デマンドレスポンスが節電に有効な手段の一つであることが明らかになった。しかしながら、今回の実証実験がきっかけとなり、実証終了後の参加世帯の節電行動や省エネ行動が継続しているかどうかについては、どの地域も検討していない。そこで本研究では北九州のフィールド実証に参加した世帯から実証終了以降の月々の電力使用量データを収集し、データセットを作成した。さらに、このデータセットを利用して計量経済学の代表的な分析手法であるパネルデータ分析を行った。 具体的な分析内容は、デマンドレスポンス実証後の参加世帯の省エネ行動に関する習慣形成についての検証である。分析の結果、協力世帯の実証終了後の月次の電力使用量から協力世帯における省エネ行動に関する習慣形成を確認することはできなかった。 その理由としては、ダイナミックプライシング適用世帯は実証期間中に省エネが進んだことから、実証終了以降、ダイナミックプライシング適用世帯は省エネの余地が少ないためと考えられる。その一方で、ダイナミックプライシングが適用されなかった世帯は、実証終了以降、省エネがダイナミックプライシング適用世帯に比べると進んでいた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の分析結果の一部を、The 7th Congress of the East Asian Association of Environmental and Resource Economicsにおいて、「Energy Conservation Habit Formation after Demand Response. Field Experiment」というタイトルで報告したため。
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Strategy for Future Research Activity |
収集したデータより、データセットを完成させ、差の差の分析、パネルデータ分析を用いて、電気料金変動制を適用されたトリートメントグループ全体の省エネ効果、習慣形成の検証、さらにトリートメントグループ内の各世帯の省エネ効果、習慣形成の検証を行う。
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Causes of Carryover |
旅費の執行が学内業務などにより当初の計画通りに行われなかったため。次年度は学会報告を行うため旅費の執行する。
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Research Products
(1 results)