2017 Fiscal Year Research-status Report
企業・政府間関係が与える銀行ファイナンスの機能への影響:現代中国の各過程での変遷
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16K03642
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
白石 麻保 北九州市立大学, 外国語学部, 教授 (40425004)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 金融仲介 / 中国 / 銀行融資 / 企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画経済期の分析を今年度前半までで終え、改革開放期の分析に着手した。現地でのヒアリングを行い、国有企業・民営企業における融資獲得状況の実態把握を行った。続いて国有、民営企業ごとに融資の獲得状況と銀行融資が得られなかった場合の資金調達ルートについて整理した。更に、各企業における資金量の多寡、資金効率性と銀行アクセス融資の可能性を国有ー民営別、資産規模別に実証分析を行った。その結果、国有企業では主として大企業が銀行の短期融資を、低パフォーマンス企業であってもアクセス可能であり、しかもその融資アクセスによってパフォーマンス改善は見られないことが明らかにされた。民営企業については現在分析を進め、一部で暫定的な結果が出ている。これまでの研究で得られた成果の一部を国際学会で報告した。現在論文に取りまとめ投稿準備中である。 この他、来年度の分析に向けてデータの接合を行い、マイクロデータの充実を図った。 次年度は、これまでに得られた結果を踏まえつつ、国有企業の分析の継続と民営企業を中心に、その現在における主たる資金調達ルートと資金調達の結果として企業パフォーマンス(ROA、生産性など)にどのような影響があったか、についても現地でのフィールド・サーベイ、実証モデルのセッティング・推定による分析を通じて明らかにしていく。以上を通じて計画経済期から現在までの各段階における金融仲介機能の役割がどのようなものであったか、全体としてその変化の様相の全体像の最後の部分を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたフィールドサーベイを行う事はできなかったものの、今年度後半から現代の企業についても資金へのアクセスとその際の政府の介入についての分析に取り掛かることが出来、国有企業については暫定的ではあるが結果が得られたため、「(2)おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
現代の国有企業の資金調達とその効率性について、モデルセッティングや推定法を変えつつ、結果の補強、或いは修正を行っていく。 また民営企業については、国有企業と資金獲得面において異なる状況がみられるため、変数選択も国有企業とは異なるものを考えつつモデルセッティングしていく。 フィールドサーベイを継続し、それを上記の実証モデルに反映していく。
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Causes of Carryover |
予定していた現地調査に行くことができなかった。そのため、翌年度にそのフィールドサーベイを実行する予定である。尚、それ以外の予定していたフィールドサーベイは行え、それを調査をもとに、且つ収集されたデータを用いて分析を進めることができているため、「おおむね順調にすすめんでいる」と判断した。 尚来年度に、今年度予定していたフィールドサーベイを含め現地でのヒアリングを継続し、実証モデルに修正を加えていく。
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Research Products
(1 results)