2017 Fiscal Year Research-status Report
グローバルサプライチェーンの変革と流通イノベーションの研究
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16K03645
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
横井 のり枝 流通経済大学, 流通情報学部, 准教授 (40615928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 友彦 学習院大学, 国際社会科学部, 教授 (10328669)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 経済政策 / 国際流通 / マーケティング / イノベーション / サプライチェーン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国内市場の縮小予測にともない高まる企業のグローバル化の動きに関して、変革が続くサプライチェーンとそれを先導するイノベーションの重要性について調査研究を行うことを目的としている。サプライチェーンが企業活動の生産性向上に影響することは事例や実証研究により明らかにされている。しかし、それらは移動コストの効率性効果であり、目的のひとつである顧客サービス改善効果についての研究は進んでいない。とくに少子高齢化が進む日本において、多様化するサービスの需要が増し、さらなる流通イノベーションの重要性が指摘されながら、その効果や課題に関する研究は乏しい。そこで本研究ではグローバルサプライチェーンの現状を調査、実証分析両面から把握した上で、日本企業が提供すべき流通サービスとイノベーションの効果および課題について明らかにする。 本年度は、昨年度に現状把握調査を行ったアメリカ市場で、実際にイノベーションを取り入れた活動を行う企業へのヒアリング調査を行った。AI技術を取り入れた無人店舗運営、商品の欠品確認や補充機能の強化、顧客データ管理、店舗利用者へのマーケティング戦略立案と実施など、先端的なイノベーション技術を取り入れた、顧客満足度を高めるサービスを含めたマーケティング、店舗オペレーション、そしてサプライチェーン改築の実態を把握した。 これに対し、日本企業の取り組みと課題についても、企業に対しヒアリング調査を行った。無人店舗運営の取り組み、それにともなう流通加工の問題などの企業戦略の実際と課題、競合他社との差別化について把握し、その成果と課題を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はサプライチェーンとそれを先導するイノベーションの重要性について調査研究を行うことを目的としている。その目的に沿って、流通とサプライチェーンの現状、社会変化にともなうイノベーションの重要性とそれらに対する取り組みについて、研究会を開催し、議論を繰り返してきた。今年度は、顧客サービスに技術イノベーションをもたらしたアメリカのネット企業他を訪問し、ヒアリング調査を行った。最新の技術を導入し、顧客満足度を高める仕組み、そしてその仕組みを構築するまでの失敗や課題、サプライチェーン構築と課題などについて把握することができた。その後、日本のサプライチェーンを担う企業にもヒアリング調査を行い、日本におけるイノベーションの現状と課題について把握することができた。本年度の研究予定としていた、アメリカの現状と日本における現状との比較を行い、差異と課題を抽出することができた。以上から、研究は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、過去2年間の海外調査を中心とした研究の結果、およびアメリカと日本との差異と課題の抽出をもとに、日本における流通イノベーションの課題と新たな技術の将来への汎用について調査を続ける。 世界に先駆けて進む少子高齢化により、国内消費規模の縮小が余儀なくされている。サプライチェーンの進化によるコスト削減が企業活動の生産性向上を実現してきたが、消費者の満足度を高める流通サービスを充実させ、消費規模を向上させていくことが求められる。そのためのイノベーションの効果と課題、将来性について明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
昨年度に予定していたヒアリング調査の対象としたアメリカのネット企業との日程調整が難航し、実施ができなかった。そのため、本調査を今年度に調査を実施した。 そのヒアリング調査結果を受け、翌年に予定していた日本企業複数社にヒアリング調査を今年度に行い、その差異を見い出すことに務めた。そのため、今年度に行う予定の海外調査の実施を次年度に持ち越した。
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Research Products
(4 results)