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2019 Fiscal Year Research-status Report

多地域間産業連関アプローチによる中国の主要貿易相手国が誘発する環境負荷の推計

Research Project

Project/Area Number 16K03648
Research InstitutionTokyo International University

Principal Investigator

筑井 麻紀子  東京国際大学, 商学部, 教授 (40275798)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 松村 敦子  東京国際大学, 経済学部, 教授 (60209608)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2021-03-31
Keywords産業連関分析 / 環境経済学 / 地域間比較研究 / 中国 / 政策シミュレーション / 経済政策 / 計量経済学 / 地域経済学
Outline of Annual Research Achievements

中国の鉱業部門の鉱物別生産量と廃棄物の分類別推計を通じて中国が鉱物アスベストの生産・輸出・輸入を行っていることが分かった。これは製造大国である中国がアスベストを含む製品をいまだに生産しており、また貿易相手国のアスベストの生産やアスベスト含有製品の生産・使用を誘発している可能性を示している。これは既にアスベストの生産・消費・使用を中止している先進国にも関連がある。先進国の消費活動や生産活動が貿易を通じて、中国でのアスベスト需要と、さらに他の発展途上国におけるアスベスト生産・消費・使用を誘発している可能性があるからである。アスベストの採掘や製品製造は、労働者のみならずその家族や周辺住民に至る多くの人々に、長い年月の後に多くの被害を生み出す可能性がある。そのため、建築物の建設に大量のアスベストが使用されている場合、それらの建築物が耐用年数を終えて解体される際には、空気中のアスベスト繊維への曝露を制限するために適切な処理が必要となる。このような処理を行わなければ、解体された建物の周辺に住む建設作業員や市民が深刻な健康被害を受ける可能性がある。これらの影響を鑑みると、中国の経済活動と環境に与える上で、アスベストを含めた検討は非常に重要であると考えられる。そこで、本研究では、中国とその主要貿易相手国を中心とした多地域間産業連関表を推計する際に、アスベストのフローも考慮した多地域間産業連関表を選定しなおし、鉱業部門の生産物から鉱物アスベストを分離し作表を試みた。多地域間産業連関表としては、それぞれ一長一短のGTAP(Narayanan et al., 2012)とICIO(OECD-WTO, 2013)を比較検討の上、作表を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究計画を一部変更し、アスベストのフロー把握と中国とその主要貿易相手国を中心とした多地域間産業連関表の組み込みを試みた。2019年11月の業績発表の段階では、まだベースとなる多地域間産業連関表を選定しなおすために、比較検討を行っている段階であったが、2020年3月の段階では、中国を除く主要のアスベスト生産国であるロシア、ブラジル、カザフスタンも対象国として含んでいるICIO(OECD-WTO, 2013)の多地域間産業連関表をベースに鉱物アスベストの生産活動と国際フローを鉱業部門から分離し、国別のアスベスト生産量誘発の推計を行った。この研究成果は2020年度にクアラルンプール(マレーシア)で開催予定であったIIOA 2020で発表するために申し込みを行っていた。IIOA 2020は産業連関分析の分野で世界最大の学会であり、多くの研究者との意見交換が期待できたのだが、COVID-19の影響で開催が時期・場所を含め再検討され、無期延期となってしまった。研究の進捗状態としては、アスベストを含む製品についても製造業の各部門からの分離を試みている。

Strategy for Future Research Activity

アスベスト製品についての国際フローの分析に際しては、貿易データを内在しているGTAP(Narayanan et al., 2012)をベース表とした方が利点が多いと考えられるため、現在比較と検討を進めている。アスベストに関連する問題が予想以上に多くの研究時間を必要としているため、アスベストフローを含んだ多地域間産業連関アプローチと、アスベストフローを組み入れていないアプローチを同時に進め、後者については中国環境拡張産業連関表CEEIO(Liang et al.)を活用して多地域間産業連関表の拡張を行う方法も検討している。

Causes of Carryover

「現在までの進捗状況理由」で述べた理由と重なるが、当初の計画を一部変更し、全体としての進行状況がやや遅れたために発表や論文投稿の計画が後ろ倒しになったために予定していた支出が発生せず、次年度である2020年度使用額が生じた。また、COVID-19の影響により、2020年3月に参加予定だった学会が2件キャンセルとなり、旅費・参加費・宿泊費が生じなかった。今年度は推計作業と成果発表を中心に取り組むため、謝金と論文投稿費、英文校正費、掲載費といった目的での使用を中心としていく予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] アスベスト・フローと影響の把握に国際産業連関分析をどのように適用すべきか2019

    • Author(s)
      筑井麻紀子
    • Organizer
      環太平洋産業連関分析学会第30回(2019年度)全国大会 九州大学伊都キャンパス

URL: 

Published: 2021-01-27  

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