2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K03650
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
友原 章典 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (80448810)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 移民 / 海外直接投資 / 国際貿易 |
Outline of Annual Research Achievements |
移民や海外直接投資などによる国際ネットワークが知的財産貿易にどのような影響を与えているかを、知的財産貿易において主要な役割を占める国々のデータを使用して考察している。特に、こうしたネットワークの効果が、人や資金の流れの方向によって変わるのかが論点となる。 具体的には、1)アメリカにいる移民の数、2)アメリカから海外に移住した人の数、3)アメリカから海外への海外直接投資、4)海外からアメリカへの直接投資のそれぞれが、知的財産貿易からの収入にどのような影響を与えるかを分析することになる。 移民や多国籍企業の活動が、知的財産貿易からの収入にどのような影響を与えるかを、アメリカの2国間貿易のデータを使用して検証した。これまでの研究とは異なり、グローバル化に関係する2つの研究分野である貿易と移民の関係と貿易と海外直接投資の関係を統合し、貿易、移民、海外直接投資(多国籍企業の活動)の3つの関係の相互作用の観点から分析が行われた点が特色である。 分析の結果、アメリカにいる移民の数が多い国やアメリカから海外への海外直接投資が多い国との関係ほど、知的財産貿易からの収入が高くなっていた。一方、知的財産貿易からの収入は、アメリカから海外に移住した人の数が多い国との関係や海外からアメリカへの直接投資との関係が見られなかった。こうした当該研究の成果は、貿易・産業・移民労働政策をめぐる議論に、有用な示唆を与えるものと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
データの入力・整理に関しては、1名しか確保できなかったRA学生の進学準備、学業との兼ね合いや帰省等に加え、研究代表者の体調不良なども重なり、予定通りにRA作業が進まなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
移民や海外直接投資などによる国際ネットワークが国際貿易にどのような影響を与えているかを、日本以外の国のデータを使用して考察する予定である。たとえば、アメリカやドイツに滞在する外国人移民が国際貿易に影響を与える分岐点のような移民割合の存在があるかどうかなどを検証する。
|
Causes of Carryover |
学内業務の多忙(新しい入試に向けてのサンプル入試問題の作成など)に加え、研究代表者の体調不良が重なり、また、1名しか確保できなかったRAである学生の学業、ほかのアルバイト、帰省、進学準備などへの配慮のため、作業が予定通りに進まず、次年度以降も引き続き予算を使用することとなった。データの入力・整理を中心に、英文校正や論文投稿・審査料などに予算を使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)