2017 Fiscal Year Research-status Report
グローバル化と知識基盤型経済活動の新興国への移転の研究
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16K03656
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
平川 均 国士舘大学, 21世紀アジア学部, 教授 (60199049)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 知識基盤が経済 / ICT / オフショアリング / 海外直接投資 / 海外進出 / アウトソーシング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、日本企業のICT基盤型サービス業務の実態について、海外調査をベトナム・ハノイ(2017年12月)において行った。中国・大連(2017年7月)も行う機会があり、本調査との関係でICTの発達による中国への最新の影響の実態を知ることができた。ベトナムのハノイにおいては海外研究協力者の貿易大学教員のDr.Nguyen Thi Bich Ha博士の協力の下、ベトナムソフトウェア・ITサービス協会(VINASA)、ホアラックハイテクパーク管理局のそれぞれ幹部へのインタビューを行うことができた。ホアラックハイテクパークへは視察を行ない、同パーク内に設立された高等教育機関PFT大学への訪問とインタビューが実現した。 また、日本国内での研究会として、インド・バンガロールにあるICT教育の名門大学のひとつ国際情報技術大学(IIIT)のDr. Kulkarni Mandar Vijay博士の来日時に同氏を招き報告「インドにおける情報技術主導型成長の達成と展望」を、またベトナム・ハノイの貿易大学の上記研究協力者の来日時に、同博士による報告「2017年版ベトナムICT白書を読む」の公開研究会を国士館大学及び明治大学において開催した。両研究会からは、インドにおける知識基盤型経済の実態を、ベトナムに関しては3年振りに発表されたICT白書(現時点ではベトナム語版のみ)が解説され、日本では未公表の貴重な報告であった。 研究成果としては、アジア経営学会第24回全国大会(東北大学、2017年9月)の統一論題の報告者に選ばれ、報告「ICTサービス業務のオフショアリングと東アジア」を行った。 研究成果の公刊に関しては『アジア経営研究』へ論文を投稿し、現時点ではレフェリーの審査において掲載可の評価を得ている。2018年度の刊行予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究プロジェクトは昨年度に引き続き、順調に進んでいる。ベトナムでの現地調査で同国政府の主導するハイテクパークの開発状況を確認でき、ICT業界のトップの担当者とのインタビューも実現している。本研究で注目される中国における実態に関しても調査の機会が得られたために、国際的な比較の視点も獲得できた。 関連学会では統一論題での報告者に選ばれ、研究の中間段階での報告を行うことができた。研究成果も交換に向けて順調に進んでいる。研究がカバーする地域に関する情報を効率的に獲得するために、インドとベトナムの研究者の来日時に報告を要請し研究会を開催することで、最新の研究動向を知ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究方法に関しては、予定の研究計画に沿って進める予定である。国際経済を取り巻く環境が昨年に引き続き不安定であるが、そのことは本研究が想定しているアジアにおける知識基盤型経済への移行への影響はむしろポジティブに働く可能性が高い。グローバリゼーションと新興経済の知識基盤型経済との関係に与える影響は変わらない、むしろ加速する可能性が高い。こうした見通しにおいては、現地調査と最新情報の収集が最も有効な研究方法であると考えられる。従って、昨年度と同様に研究を進める。
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Causes of Carryover |
予定していた海外調査が海外研究協力者との日程調整が出来なくなっために、海外出張を断念した。今年度においては、本研究テーマに関する国際環境の変化を反映して、調査対象を広げる。インド調査を予定している。
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