2016 Fiscal Year Research-status Report
技術の違いを考慮したエネルギー効率とその決定要因の実証分析
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16K03662
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
本間 聡 東海大学, 政治経済学部, 教授 (70368869)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 確率フロンティア分析 / エネルギー効率 / メタフロンティア / 包絡分析法 |
Outline of Annual Research Achievements |
技術の違いを考慮した確率フロンティア分析を我が国の都道府県別データに適用してエネルギー効率とその決定要因を分析した。推定では、47都道府県を政令指定都市をもつ16同都府県と31県の2グループに分け、トランスログ型の距離関数を用いた。エネルギー効率に影響を与える変数には、経済的な要因として県内総生産に占める製造業比率、卸小売比率、サービス比率、社会的な要因として県内総生産に占める政府サービス比率、人口密度、1人当たり所得をとった。 分析の結果、各グループの平均値で見ると技術の違いによる非効率よりも操業上の非効率の方が大きかった。各地域内のエネルギー効率に関して、卸小売比率、サービス比率、政府サービス比率、1人当たり所得は正の影響を、製造業比率は負の影響を与えていることがわかった。また、各地域に関して、潜在的に削減可能なエネルギー消費量を導出し、解消するべき非効率に関して操業上のものと技術的格差によるものとの比率を示した。当該論文は国際学術雑誌に投稿中である。 上記と同じ手法を産業レベルでのエネルギー効率の国際比較に適用した研究を進めた。産業部門別の投入(労働、資本、エネルギー)と産出に関するデータセットを構築した。先進国と発展途上国との二分するグループ分けを行ったが、他のグルーピング方法やエネルギー効率に影響を与える外生変数も検討中である。現在、国際学術雑誌投稿に向けてデータの拡張作業を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に研究予定であった先進国と発展途上国を含むデータ構築に関しては、平成28年度に着手し、部分的な成果として論文「再生可能エネルギーとマクロ経済の効率性に関する実証分析」としてまとめて、平成28年度に刊行した。 産業レベルでエネルギー効率を精緻に国際比較するためには、産業別に付加価値、労働、資本ストック、エネルギー消費量のデータが必要となるが、これらのデータが整備されたWorld Input-Output Databaseを用いてデータ構築を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、データ構築と実証分析である。エネルギー効率に影響を与える要因として、1人当たり所得、政治の民主主義度、エネルギー自給率等の変数を検討する。 そして、実証分析では先進国と発展途上国の技術格差がエネルギー非効率にどの程度影響を与えているのかを分析する。言い換えれば、エネルギー非効率をオペレーショなる部分と技術格差による部分に分析することを試みる。
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Causes of Carryover |
当初の予定よりも海外出張の滞在日数や業務が少なくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
先進国と発展途上国を含むデータ構築のために、共同研究者との打ち合わせの旅費や入力の人件費として使用することを予定している。
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Research Products
(4 results)