2017 Fiscal Year Research-status Report
金融政策委員会の選好・集合的意思決定に関する自然言語解析に基づく定量的分析
Project/Area Number |
16K03670
|
Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
慶田 昌之 立正大学, 経済学部, 准教授 (80401199)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 陽介 上智大学, 経済学部, 教授 (20266068)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 金融政策 / 統計的自然言語処理 / latent semantic analysis / 非伝統的金融政策 / 政策スタンスの変更 / マイナス金利 |
Outline of Annual Research Achievements |
金融政策委員会の意思決定に関して2つの方向性で進めている。第1に統計的自然言語処理の手法を用いて、金融政策の詮索スタンスを評価が可能であるかについての研究を進めている。研究代表者と研究分担者は、昨年度の研究成果の一部について、英国 Centre for Economic Policy Research (CEPR) のポータルウェブサイトVOX EUに“Computer-based narrative analysis of the Bank of Japan's Governor Kuroda”という記事を寄稿した。これを加筆修正して“Central bank communication strategies: A computer-based narrative analysis of the Bank of Japan's Governor Kuroda”としてまとめ、CEPRが出版した e-book の Hawks and Doves: Deeds and Words - Economics and Politics of Monetary Policymaking において公表した。 第2にアメリカ経済学会 AEA 2018 Annual Meeting に参加し、主として機械学習に関するいくつかのセッションに出席し、この分野の最新の研究報告を聞いた。また、日本銀行金融研究所が主催するファイナンス・ワークショップ「ビッグデータと人工知能を用いたファイナンス研究の展開」に出席した。このワークショップでは自然言語処理を用いた研究も報告されており、研究者と意見を交換する機会があった。 第3にトピック・モデルを用いた分析を進めた。しかしながら分析結果は解釈し難い部分があり、より幅広い観点から政策委員会の意思決定について分析する必要が理解された。今後の研究では、ここまでで得られた治験を活かす形で進めていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画と比較して進んでいる点は、LSAを用いた金融政策関連文書の分析について、派生的な論文を執筆し、他の研究者との意見交換を進めることができた点である。 一方で、遅れている点は、トピック・モデルを用いた分析が現時点で完成していない点である。
|
Strategy for Future Research Activity |
トピック・モデルを用いた分析については、いくつかの問題を確認している。政策委員会の意思決定について幅広い観点から分析することを検討している。
|
Causes of Carryover |
コンピュータの購入について、現在の機材の利用が可能であり、ソフトウェアの変更による研究上の不利を避けるため、2018年度に行うこととした。
|
Remarks |
(1) の記事ページに記載されたタイトルは“Computer-based narrative analysis of the Bank of Japan's Governor Kuroda”。
|
Research Products
(2 results)