2018 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical analysis of households' energy choice
Project/Area Number |
16K03679
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
木下 信 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (60396265)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 電力ガス自由化 / 再生可能エネルギー / 省エネ / コンジョイント分析 / ランダムパラメーターロジットモデル / 省エネ機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である2018年度は、電力・ガス小売自由化に関する研究を日本経済学会や日本経済政策学会国際会議で発表した。2016年4月から相次いで実施された家庭も対象にした電力とガスの小売自由化後の家庭の事業者選択行動を分析し、どのようなサービスを選好するかを顕示選好とコンジョイント分析を用いて計測した。小売自由化にも関わらず、実際に供給先を変更した家庭は少なく、将来どのようなサービスやエネルギー源を持つ事業者が選好されるかを明らかにすることはエネルギー会社のマーケティング戦略や競争を通じたイノベーション、事業者の統廃合や提携も含むエネルギー政策を考える上で重要である。電力自由化のみを扱った研究は多く見られるものの、電力とガスを含めたエネルギー全般の自由化の効果を分析した研究は見られないため、この研究の意義がある。その結果、家庭は安い料金プランを選好するものの、競争を通じたイノベーションの成果として期待される省エネ機器や自家発、再生可能エネルギーには関心を示さなかった。 2017年度から取り掛かっていた家計の省エネ行動に関する研究が、Energy and Environmentという査読付き国際雑誌に掲載が決まった。家計が省エネする条件をコンジョイント分析で明らかにした。その際、家計の再生可能エネルギーに対する選好との関係に注目し、再生可能エネルギーを選好する個人は省エネする傾向にあることを明らかにした。省エネと再生可能エネルギーの普及は日本では緊急の課題であり、このような傾向が見られることで、この2つの課題は同時に解決できる可能性を示した。 2018年度の後半には、再生可能エネルギーが普及する条件に関する研究を実施した。コンジョイント分析を用い、非金銭的インセンティブにも反応することが示された。龍谷大学のDiscussion Paperに掲載し、日本経済学会で発表予定である。
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Research Products
(6 results)