2016 Fiscal Year Research-status Report
ベスト・ワースト・スケーリングの仮想バイアスに関する実験経済学的研究
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16K03686
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
柘植 隆宏 甲南大学, 経済学部, 教授 (70363778)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ベスト・ワースト・スケーリング / 仮想バイアス / 実験経済学 / 表明選好法 / 支払意志額 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ベスト・ワースト・スケーリング(BWS)における仮想バイアスについて実験経済学の手法を用いて分析を行う。仮想バイアスとは、アンケートで表明される支払意志額(WTP)と実際の支払額の乖離であり、この仮想バイアスをいかに排除するかが表明選好法の最大の課題となっている。 平成28年度は、BWSと仮想バイアスに関する先行研究のレビュー、誘因両立的なBWSに関する検討、ならびに実験内容に関する検討を行った。 本研究ではcase3のBWSにおける仮想バイアスについて分析することを想定していたが、図書・論文等に基づきBWSと仮想バイアスに関する研究動向について情報を収集した結果、case1のBWSについても、アンケートの回答と実際の行動を比較し、信頼性を検証することが有意義であることが明らかとなった。そこで、実験内容について再検討を行い、case3に加えcase1についても分析の対象とすることにした。 また、BWSの結果から予測される商品の販売量と実際の商品の販売量の比較から、BWSの予測精度や仮想バイアスの大きさを検証することを予定しているが、商品の販売量のデータとして、店舗が提供する販売量のデータを使用するよりも、被験者に対して追跡調査を行い、実際の購買行動に関する詳細な情報を入手する方が、より信頼性の高い検証が可能であることが明らかとなったため、被験者に対する追跡調査を行うこととした。 上記の通り、本年度に実施した研究により、実験の精度向上に役立つ知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度に実施予定であった先行研究のレビュー、誘因両立的なBWSに関する検討、実験方法に関する検討は完了したが、いずれも想定していたよりも時間を要したため、プレ実験の実施を平成29年度に延期した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度には、平成28年度に予定されていたプレ実験と平成29年度に予定されていた本実験を実施する予定である。また、BWSをはじめとした各種表明選好法による予測と実際の購買行動との比較を行う予定である。
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Causes of Carryover |
プレ実験の実施を平成29年度に延期したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
プレ実験と本実験の実施のために使用する。
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