2018 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental economics approach to the hypothetical bias in best-worst scaling
Project/Area Number |
16K03686
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
柘植 隆宏 甲南大学, 経済学部, 教授 (70363778)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 環境経済学 / 表明選好法 / ベスト・ワースト・スケーリング / 仮想バイアス / 実験経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
消費者の選好を分析するための新しい手法として注目を集めているベスト・ワースト・スケーリング(BWS)における仮想バイアスの程度と予測精度について、経済実験とアンケート調査を用いて研究を行った。 経済実験では、大学生を被験者、大学生協で販売する弁当と飲み物を取引対象の財として、仮想的なBWS(質問形式はcase3)と実際の支払いを伴う(誘因両立的な)BWSの間で支払意志額(WTP)の推定値を比較した。その結果、仮想的なBWSと比較して、実際の支払いを伴うBWSの方が弁当や飲み物の種類に対するWTPが小さく、かつ、(弁当や飲み物の種類に関わらず)いずれかの財を購入することに対するWTPも小さいことが明らかとなった。これは仮想バイアスの存在を示唆する結果である。 また、東京都在住の20代から60代の男女で、食事のメニューを自分自身で決めることが多い人を対象としたアンケート調査を実施した。1回目の調査で、カレーやラーメンをはじめとした13種類のメニューの中から、普段一番よく食べるものと一番よく食べないものをBWS(質問形式はcase1)で質問し、3週間後に実施した追跡調査では、過去3週間に各メニューを何回ずつ食べたかを質問することで、BWSの予測精度を検証した。分析の結果、各メニューのBWSスコアと過去3週間に食べられた回数の平均値の相関は0.7以上、同じくBWSスコアの順位と過去3週間に食べられた回数の平均値の順位の相関は0.8以上となり、BWSにより購買量を一定の精度で予測できることが明らかとなった。
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Research Products
(15 results)