2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K03689
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Research Institution | Asian Growth Research Institute |
Principal Investigator |
戴 二彪 公益財団法人アジア成長研究所, 研究部, 教授 (20300840)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 旅行行動 / 影響要因 / 中国人 / 観光客 / 訪日 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の日本において,政府の観光立国戦略の本格的推進に伴い,各地方自治体はインバウンド観光客の誘致を重要な地域振興策の一つとして重視し,空港など交通インフラの整備も積極的に推進している。このような背景の下で,三大都市圏を中心に訪日外国人客の規模が著しく増大しているが,多くの地方自治体では期待されたほどの効果はまだ現れていない。本研究は,国際観光行動の関連理論の発展に貢献するとともに,日本各地の効果的なインバウンド国際観光促進戦略の策定にも資することを目指して,世界最大の国際観光市場国に躍進している中国からの観光客の旅行行動(旅行先選択行動,交通選択行動, 宿泊先選択行動など)に着目し,その行動パターンの特徴と影響要因を詳細に分析する。 この研究の実施期間は三年間となっている。二年目の平成29年度では,主に訪日中国人客の交通利用行動に着目し,その特徴と影響要因を考察・分析した。具体的には,①国土交通省の統計データを用い,日本の30空港の最近3年間(2014年,2015年,2016年)の国際輸送に関するパネルデータと固定効果モデルを用いて,外国人客全体と中国人客の空港利用行動の特徴と影響要因を分析した。②九州佐賀空港の上海便利用者を対象にしたアンケート調査で得たサーベイデータをもとに,交通利用行動をはじめ,訪日中国人旅行者の旅行行動を考察した。こうした調査・分析に基づいて,国内外の研究会で研究論文を報告した。そのうち,一つの関連論文はすでに公刊され,もう一つは6月に掲載される予定である。また,日本経済・中国経済に関する他の論文(3本)も公刊された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当研究所(AGI)の国際交流ネットワークおよび本研究代表者の現地協力研究者のサポートによって,海外や日本での現地調査・学会参加はほぼ計画通りに行われた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度(最終年度)では,次の計画に基づいて当研究を推進して行きたい。 まず,日本国内でのアンケート調査データ・統計データを利用し,訪日中国人客の宿泊行動に焦点を当てて,その特徴と影響要因(旅行者の個人属性や旅行先属性など)を分析する。 また,既存研究と本研究の分析結果に基づいて,諸外国を訪問する中国人客と訪日中国人客の旅行行動の異同と影響要因を検証する。 そして,2019年3月までに,3年間の調査分析結果に基づいて最終研究報告書をまとめる。
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Causes of Carryover |
29年度では、海外(韓国、台湾、中国本土)や日本での現地調査・学会参加はほぼ計画通りに行われた。 ただし,韓国、台湾の大学・研究機関に招聘され,研究交流・現地調査を行ったケースも複数回あったので,支出する予定だった旅費・謝礼などが節約され,新年度への繰り越しとなっている。 新年度(最終年度)において,追加現地調査や国際研究会参加などのために,研究費を有効に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)