2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K03701
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岸田 研作 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (30346407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷垣 靜子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (80263143)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | 医療経済学 / 介護保険 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の分析を行うための文献渉猟を行った。 1. 介護離職した者のうち、どのような属性の者が、どれくらいの離職期間を経て再就職しているか、2. 介護離職前後の就業形態の変化とその決定要因、3. 介護がワーク・ライフ・バランスに与える影響、4. 介護をしながら仕事をしている者の生活時間の実態。 それぞれの課題について国内外の研究動向を把握することで、国内で入手化可能な統計で可能な分析方法及び指定統計利用にあたって必要な変数の目ぼしをつけた。また、厚生労働省の介護と仕事の両立マニュアルに目を通したり、介護と仕事を両立している当事者やその支援者からヒアリングを行うことで研究課題に対する理解を深めた。以上のことよりわかったことをまとめると以下のとおりである。仕事と介護の両立は、子育てと介護よりも分析が困難でありかつ必要なデータへのアクセスが難しい。分析が困難である理由は、子育てよりも関わる関係者が複雑で、標本の入手が難しい。前者については、子育ての場合、関わるのは主に両親、特に母親である。それに対し、介護の場合は、配偶者以外に子どももある。子育てと異なり、子どもは同居してない場合もあり関わり方も多様である。また、子育ての場合、母親の事業所は妊娠出産を把握できるが、介護の場合、介護をしている従業員が介護をしていることを勤め先に伝えないことも珍しくない。以上のように分析を行う事前の準備はできたものの、当初計画していた指定統計を用いた統計分析を行うまでには至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回の科研費採択の通知は10月と予想外の時期であった。そのため、当初計画より研究期間が短かくなったことに加え、すでに計画されていた他の研究との両立する必要があったため十分な時間を確保できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の分析を継続するとともに、介護がワーク・ライフ・バランスに与える影響をより詳しく調べるため、『社会生活基本調査』(総務省)を用いた分析を行う。
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Causes of Carryover |
科研の採択の通知が10月だったので、研究の進捗状況に遅れが生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
書籍、計算ソフトの購入。学会旅費。
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