2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K03709
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
上村 一樹 京都産業大学, 経済学部, 助教 (30708376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒村 康平 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (50296282)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 特定健診 / がん検診 / 健康診断 / 郵送アンケート / インターネット調査 / 二値変数 / 自治体調査 / 政策効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、(1)全国の全基礎自治体向けの郵送アンケート、(2)全国に居住する男女約5,000人対象のインターネット調査、の2つを行った。
(1)については、2017年6月~8月に実施した。回収率は約4割だが、人口ベースの回収率(例:人口が約250万人の自治体から回収できたら、回収率に2%を計上)では50%を超え、予想通り、あるいは予想以上の回収率を確保することができた。問い合わせ窓口は研究代表者の個人メールアドレス、及び個人電話番号であったため、6月~8月は、アンケートの問い合わせに相当の時間を費やすこととなった。また、1月~3月には、アルバイトに依頼することによって、紙媒体のアンケートをエクセルに入力するところまで完了することができた。2008年度~2016年度を調査対象としたが、何年分の実績を回答しているかは、自治体によって幅がある。
(2)については、2017年9月~10月に計画、調査代行会社との打ち合わせ、選定等を行った上で、11月に実施した。「全国に居住する男女」が対象ではあるが、より正確には、アンケートの回答内容については、現在、精査中の段階であるが、特に注意を要する質問いくつかについては、回答内容の精査が終わっている。それらの質問に関しては、不自然な回答、こちらの意図に沿わない回答はごく僅かであり、それらの回答を分析に用いないことにしたとしても、分析上十分なサンプルサイズを確保することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究において、もっともマンパワーを要する過程は、全国の全基礎自治体対象の郵送アンケート調査、および、全国に居住する男女を対象としたインターネット調査である。郵送アンケート調査については、紙媒体のアンケート内容を、Excelに手入力する段階が、時間、労力を最も要する過程であったが、それらの過程はすでに完全に終了している。これらのことから、進捗状況はおおむね順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.紙媒体の自治体向けアンケートについて:分析の第一歩として、どのような自治体から回収を得られたのか、言い換えれば、こうしたアンケートに対して積極的ないし消極的なのがどのような自治体であるのかを分析する。 2.紙媒体のアンケートとインターネット調査を一体化しての分析:インターネット調査にて、回答者の居住自治体を尋ねている。そのため、自治体向けアンケートに回答した自治体に住んでいる場合、居住自治体で実施している健康診断受診勧奨政策を把握することができる。それらの受診勧奨政策と、特定健診、がん検診受診の有無にはどのような関係があるのかを分析する。 3.2回目のインターネット調査:1回目のインターネット調査では、全国に居住する男女を対象としていた。そのため、1自治体当たりのサンプルサイズは、おおむね一桁、高々20~30程度である。たとえば、1自治体当たりのサンプルサイズが1しかない場合、2.で得られた結果が、その1人が特殊な者であるために得られた結果なのか、ある程度一般的なものであるのか、区別がつかない。そこで、自治体向けアンケートに回答した自治体に居住する者だけを対象に、1自治体当たりのサンプルサイズを二桁は確保することを目標として、2回目のインターネット調査を行う。すでに調査会社とのやり取りは進んでおり、2018年4月中には調査が完了する運びである。 4.紙媒体のアンケートとインターネット調査(2回目)を一体化しての分析:分析の概要は、2.とほぼ同様である。
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Causes of Carryover |
自治体向けに行った、郵送でのアンケート調査は、料金受取人払の形で実施した。回収率自体は良好であったが、(1)特定健診に関するアンケート、(2)がん検診に関するアンケート、の2種類を単一の封筒で返送してきた自治体が予想よりもやや多かったため、料金受取人払の郵便料が思ったよりかからなかった。約10万円の誤差はそれにより生じた。
アンケート調査に多くの時間・労力を割いた関係で、1年目、2年目は研究成果の報告、投稿等に資源を費やすことができなかった。3年目は研究成果をまとめる必要があるため、学会で報告するための旅費、研究成果の発表方法について打ち合わせをするための旅費、英語の論文にて発表する場合には英文校閲のための資金、あるいは、研究成果をまとめる際に必要になるであろう、最新の政策事情、統計手法が書かれている書籍の購入等に、約12万円を使用する。
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