2018 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of self-esteem on redistribution preference
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16K03720
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
飯田 善郎 京都産業大学, 経済学部, 教授 (50273727)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 経済実験 / ディクテーターゲーム / 再分配選好 / 自尊感情 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に則り、再分配選好に対する自尊感情の影響の検証としてアンケート調査および経済実験によるデータの蓄積を進めながら分析を行った。およそデータの蓄積は、前年度までの結果をより統計的有意性を頑強にする方向に働いたといえる。結果を研究計画に則して述べると、(1)実験前に調査した自尊感情(被験者の普段の自尊感情すなわち特性自尊感情を反映すると考えられる)と、自分がタスクにおいて相対的に高いパフォーマンスを示せるという予想をする、自信家であるか否かとの関係は明確な相関を示し、また特性自尊感情が高いものはより利己的な分配選好を示すことが明らかとなった。(2)実験の結果を知っている時点での自尊感情(実験における自分のパフォーマンスを知っている状態であることから状態自尊感情を反映すると考えられる)については、タスクで相対的に高いパフォーマンスを挙げたものの自尊感情が高まった、あるいはその逆というような単純な関係は見出されず、相対的に高いパフォーマンスを挙げて、かつ低い再分配を行った被験者が自尊感情を下げ、逆に気前良い再分配を行った被験者が自尊感情を上げるという傾向が見られた。(3)状態自尊感情と再分配選好の関係には統計的に有意な相関がみられなかった。(4)情報が与えられる前と与えられた後の分配選好の変化についても、特性・状態自尊感情や自信との明確な相関は観察されなかった。 性差、初期所得の差を生む要因(本実験ではタスクが知能テストかくじか)、実験への参加経験などを説明変数として用いた回帰分析の結果は、自信家であることが、再分配選好に対して非常に強い説明力を持ち、実験参加経験以外のほかの説明変数を圧倒することが示された。そして特性自尊感情はこれに準ずる説明力を持つことが示された。また、自信が特性自尊感情のみならず、性差、タスク、経験にもある程度影響されていることが確認された。
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Remarks |
京都産業大学経済学部ディスカッションペーパーシリーズ (2)は文字数制限のためタイトルを途中省略。完全なタイトルは"Self-Esteem, Confidence and Redistributive Preferences"
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Research Products
(5 results)