2020 Fiscal Year Annual Research Report
Non-profit Organizations and Social Contribution Activities as Career Options: Against the Background of Diversification of Employment
Project/Area Number |
16K03723
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
浦坂 純子 同志社大学, 社会学部, 教授 (70289338)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | NPO / 社会貢献活動 / キャリア構想 / キャリア実現 / 暮らしぶり / 就業意識 / ゆとり教育 / 若年労働者 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでのNPO・社会貢献活動の蓄積を次世代に引き継ぎ、さらに裾野を広げることが、人々により豊かな働き方、生き方の機会を与えることにつながるのではないかという問題意識から、本研究では、NPO・社会貢献活動がキャリアの選択肢としてどのように位置づけられるようになったのかを明らかにし、誰もが自らに適した形で参入できるようにするための環境整備を議論することを目的としている。 本年度は、2019年度にWEBを通じて実施した「就業状況に関する調査」から得られたデータを分析し、学会報告を経て、学会誌への論文投稿に至った。当該調査は、国内の4年制大学を卒業し、海外で1年以上の教育を受けておらず、現在国内で収入に伴う職に就いている者を対象とし、3094名から回答を得た。 分析結果から、ゆとり教育に適応できた者は、従来型の企業組織にも親和性を持ち、かつ自律的なキャリア形成も可能であるが、ゆとり教育に適応できなかった者は、組織人としても未熟であり、自律的なキャリア形成にも難があるという二極化が見られることが分かった。このことは、ゆとり世代を一括りにすることの危険性を示唆しており、そのイメージは、ゆとり教育に適応できなかった者が悪目立ちすることによって形成されていると考えるのが妥当である。 加えて、新たな調査として「キャリア選択に関するアンケート」をWEBを通じて実施し、4年制大学卒業後もしくは修士課程修了後3年以内の3090名から回答を得た。暫定的な分析結果から、大学入学時点でのやりたいことの有無や、その実現に向けての行動に「実家の暮らしぶり」が正の影響を与えており、余裕のある家庭に育ったほうがキャリアを自由に思い描き、実現にも近づいていることが分かった。2021年度に学会報告を控えているため、より分析内容を精緻化し、学会誌への投稿につなげていきたい。
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Research Products
(3 results)