2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K03732
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
丸茂 幸平 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (90596959)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Hermite Expansion / Multivariate Analysis |
Outline of Annual Research Achievements |
データや現地調査については,以下の成果を得た. 2016年8月に豪州にて現地調査を行い,豪州電力卸売市場での取引データ(州別の5分毎の基準価格と約定取引量時系列)を入手した.また,現地では,クイーンズランド大 Wolff 教授ほか当該分野に関連する研究者と意見交換をした.さらに入手したデータを分析に利用可能な形式に変換・整理するためのMATLABプログラムを作成した. 分析手法については,以下の成果を得た. 本研究においては,卸売電力の基準価格と約定取引量の関係の調査が一つのポイントであるが,データを予備的に調査したところ,基準価格,取引量ともに分布が正規分布から大きく外れていることがわかった.基準価格の分布はパレート分布に近いぐらいに裾が厚く,また,取引量の時系列は,年,週,日などの周期による変動が大きい.こうした事実から,正規分布でない多変量の確率変数において,一部の確率変数を固定した条件付分布関数の導出や推定が本研究の技術的な課題といえる.本年度は,Marumo and Wolff (2013)で紹介されている多変量の Hermite 展開の応用可能性を模索した.ここで紹介されている幾つかの手法のうち,平滑化した多変量のHermite展開により同時分布関数を表現し,そこから条件付分布関数を導出する方法を開発した.また,2変量の場合について,導出された同時密度関数の収束性について証明し,ワーキングペーパー (埼玉大学経済学部 ワーキングペーパー No.14) A Non-parametric Method for Calculating Conditional Stressed Value at Risk にまとめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ等の基礎的な情報が利用可能となり,また,分析手法に関しても当初計画していたHermite展開の利用の目処が立った.
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は,以下のように計画をしている.豪州の電力卸売市場および分析のための手法に関して,現地の研究者らと最新の研究動向について意見交換を行う. 分析手法については,多変量のHermite展開の頑健性を高め,電力市場データへの応用を展望する.すなわち,電力の卸売り価格と電力需要の同時分布の近似にHermite展開を応用し,そこから電力需要で条件付けをした電力卸売価格分布を導出する.さらに,これを利用して,Value at Risk などリスク量の算出に応用する.
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Causes of Carryover |
検討していたノートPCの購入を見合わせたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ノートPCの購入に充当する予定.
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