2019 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamic relationships between different financial markets: Empirical studies with copulas
Project/Area Number |
16K03746
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
立花 実 大阪府立大学, 経済学研究科, 准教授 (70405330)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | コピュラ / 株価 / 為替レート / 国債 / 避難資産 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2つの研究に取り組んだ。まず、昨年度執筆し投稿していた論文の大幅な改訂依頼が投稿先雑誌からあり、その作業を行った。査読者からの提言および自身の判断に基づき、データや分析手法など多方面から根本的に見直した。以下は改訂後論文の内容である。当該研究の目的は、株式から国債への質への避難行動の存在とその程度、当該行動の国際的な連動性を調べることである。そのために、2状態を想定したレジーム・スウィッチング・コピュラモデルを用いた。分析対象国は先進6ヵ国(フランス、ドイツ、日本、スイス、イギリス、アメリカ)である。また、自国の株式-国債の組だけでなく異なる国間の株式-国債の組も分析対象とした。分析の結果、米国と英国の国債が避難資産としての役割を国際的に担っていることが分かった。その他の国の国債については、質への逃避現象は確認されたものの比較的弱いことが示された。また質への逃避行動は、複数の国で起こる傾向があるものの、同時発生の割合は国によって異なっていることも明らかになった。本論文はディスカッションペーパーに登録後、投稿先雑誌に再投稿した。 2つ目に取り組んだことは、高次元コピュラによる金融資産間の関係分析である。これまでの自身の研究では2変数間または3変数間の関係をコピュラを用いて分析してきた。しかし現実には金融資産の種類は非常に多く存在することから、2または3変数の分析では見落とされてきた情報があるかもしれない。そのような問題意識のもと、様々な国の株価指数、国債価格指数、為替レートからなる高次元データを構築し、分析に適用する高次元コピュラモデルの習得・拡張を行い、さらに高速でデータ処理するために必要なプログラミング技術を習得した。本欄の前半部分に記した研究を遂行する必要が生じたため当該研究の本格的な分析や論文執筆までには至っていないが、引き続き研究を進めていく予定である。
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