2018 Fiscal Year Research-status Report
通貨から視る西アフリカ地域経済の分断と再統合の可能性の検証:20・21世紀
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16K03771
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
正木 響 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (30315527)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 仏領西アフリカ / 銀貨 / ギネ(濃紺色綿布) / セネガル銀行 / 操作勘定 / 西アフリカ銀行 |
Outline of Annual Research Achievements |
19世紀末から現在までの西アフリカの通貨圏の分断と再統合について研究している。再統合については、旧仏領西アフリカの現在の制度の見直しなくして実現は困難であるという確信が強まってきている。また、そのインセンティブもそれほど大きくはないことがわかってきた。 これ以外に、10月に大阪大学で開催されたアフリカの通貨に関するワークショップに参加し、次年度に19世紀のセネガルの金融システムの確立とその影響についての研究発表をさせていただけることになった。 また、Toyomu MASAKI 'Weights of Money, Credibility and Sphere of the Money Circuit: Observations through a Monetary Evolution in West Africa'(金沢大学経済学経営学系ディスカッションペーパー No.44)をまとめ、ディスカッションペーパー専用の学術系SNS、Researchgateにアップロードしたところ、約半年余りで71人の研究者にダウンロードしていただいた。マイナーな分野にしては予想以上に多くの方に関心をもっていただいたように思う。何人かの研究者からはコメントもいただけた。同内容のペーパーをジャーナルに投稿したところ、査読にまわったものの、採択にはいたらなかったため、修正再投稿の予定である。 11月には、フランスのエキスヴァン・プロバンスにある国立公文書館とマルセーユ公文書館で19世紀末から20世紀初頭にかけての仏領西アフリカの通貨についての史料収集を行い、現在、その史料を読み込んでいるところである。 今年度が最終年度であったが、他の科研費の課題研究の方に時間をとられ、こちらには十分な時間をとれなかったため研究期間を1年間延長することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の9月末までは科研費(国際共同研究加速基金)の方に注力する必要があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
Toyomu MASAKI 'Weights of Money, Credibility and Sphere of the Money Circuit: Observations through a Monetary Evolution in West Africa'(金沢大学経済学経営学系ディスカッションペーパー No.44)を英文ジャーナル掲載にもっていくとともに、現在中断しているBCEAOの操作勘定についての論文と、19世紀末の仏領西アフリカの通貨・決済についての論文を仕上げたい。
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Causes of Carryover |
他の科研費(国際共同研究加速基金)の研究に注力したため、本課題に十分に取り組むことができなかった。来年度には、6月に大阪大学で予定されている研究会で発表することになっている。また、今年度、採択に至らなかったペーパーの再投稿、中断している別論文の投稿に力を入れる予定である。
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