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2016 Fiscal Year Research-status Report

占領下におけるアメリカの対日援助の研究-産業支援を中心に-

Research Project

Project/Area Number 16K03776
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

大畑 貴裕  広島大学, 社会科学研究科, 講師 (80736405)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2021-03-31
KeywordsGHQの産業支援 / 米国政府の対日援助 / 産業支援的な占領政策 / 日本経済の復興
Outline of Annual Research Achievements

科研費助成事業交付申請書に記した「研究の目的」および「研究実施計画」に則り、当該平成28年度は主に、占領・復興期の日本経済に大きな影響を与えた米国政府の対日援助政策の形成・実施過程において、GHQが具体的にどのような役割を果たしたのかという点を明確にするために、主にGHQ文書を調査した。その中でも特に経済科学局および高級副官部等の貿易・会計関係の資料を集中的に調べた。
その結果、GHQが米国政府から引き出した援助をどのような方針・仕組みの下で日本経済復興に役立てようとしたのかについて、大要を把握することができた。GHQは、日本からの輸出品の代価をプールした「SCAP商業勘定」(米銀や英銀などに設置された口座で管理されていた)等を使用して自由裁量的に行なえた輸入と組み合わせるようにして、米国政府の対日援助を日本経済復興のために活用していた。すなわち、GHQは日本の諸産業に必須の原料を、主に米国政府の対日援助という手段を通して輸入していたが、米国政府の許可が下りない場合もしくは迅速な輸入が必要な場合には、SCAP商業勘定等に置かれたほぼ自己管理下の外貨を使用して輸入していたのである。米国政府の対日援助は、大きな部分を食糧援助が占めていたが、それが故および政治的思惑(米国納税者の税を旧敵国支援に向けることの忌避感等)によってカバーできなかった産業支援の部分を、GHQが補完しかつ主導していたのである。
本年度の研究成果は論文としてまとめられ、平成29年度中に広島大学経済学部紀要に掲載される予定であり、その刊行が遅れる場合等は取り下げて別の学会誌に投稿する所存である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

「研究の目的」および「平成28年度の研究実施計画」を基準として研究の進捗状況を評価すると、概ね順調に研究を進めることができているが、ただ平成28年度中に論文を公表するところにまでは至ることができなかった。理由は、本格的に調査してみると、関連するGHQ文書(元々、ほぼ未整理の資料群である)が予想以上に膨大で、調査が追い付かなかったからである。

Strategy for Future Research Activity

「研究の目的」および「平成28年度の研究実施計画」に則り、上述した論文の公表を急ぐ所存である。
また、「研究の目的」および「研究実施計画」の改定の必要性自体は認められないので、今後もそれらに則って研究を着実に進める。平成29年度は、特に石炭産業に関する研究を推し進める方針・計画であるから、その点の調査に鋭意取り組む所存である。

Causes of Carryover

主要な調査対象であるGHQ文書のマイクロ資料が保管されている資料館(京都市の立命館大学および東京の国会図書館)への調査出張回数が、当初の方針よりも少なくなったためである。これは、想定以上に調査対象の英文資料が膨大であったことから、秋頃までに複写した多数の資料の解読に手間どり、冬以降に新たな調査出張を行う時間的・労力的な余裕がなかったことによる。

Expenditure Plan for Carryover Budget

前述したGHQ文書のマイクロ資料、および他資料(経済安定本部資料等)の保管地への調査出張に使用する。

URL: 

Published: 2018-01-16  

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