2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Historical Significance of the Rationalization of Japan's Coal Industry: From Technological Revolution to Technology Transfer
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16K03793
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
島西 智輝 東洋大学, 経済学部, 教授 (70434206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋崎 尚子 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40216049)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 技術移転 / 石炭産業 / ベトナム / 炭鉱 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、前年度に実施できなかったベトナムでの現地調査を2回にわけて実施した。具体的には、ベトナム石炭鉱物産業グループ(VINACOMIN)本部、同国クアンニン省Hong Gai生産指導本部、およびUong Bi鉱山保安センターを訪問し、炭鉱技術移転事業の実施に係る具体的なフロー、事業の成果・評価、事業の課題・要望について聞取り調査を行った。炭鉱技術移転事業に対する肯定的な評価、とくに保安意識向上、基本動作の徹底、などソフト面の移転が高い評価を得ていることを確認した。また、炭鉱の生産・保安システムの改善状況も確認した。他方で、ベトナムの生産条件と技術移転事業の実施状況との間でずれが生じつつあることも明らかとなった。また、炭鉱技術移転事業における日本の優位性が、他国の参入によって失われつつあることも明らかとなった。これらの研究成果については、昨年度までの聞取り調査と合わせて、まずは白表紙の報告書としてまとめている。 研究期間全体をとおして、戦前以来の日越間のネットワーク、さらには生き残りをかけた日本の石炭産業側の技術移転への強い熱意と試行錯誤、それを受け止めて実際に技術向上をはたしたベトナムの石炭産業側の強い熱意と試行錯誤、さらには事業をスムーズに進めるための制度的枠組みなどを明らかにすることができた。また、技術のハード面以上に、ソフト面のニーズが強いことを確認した。これらによって、日本の石炭産業が存続してきた意義、および日本の技術移転の特徴を、新たな側面から解明することができたといえる。
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Remarks |
島西智輝、「グローカル経済と釧路の石炭」(「石炭セミナーin釧路」の招待講演)、釧路プリンスホテル、2018年11月28日。
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Research Products
(4 results)