2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K03794
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
金 容度 法政大学, 経営学部, 教授 (70350212)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国際比較 / 日米比較 / 企業間関係 / 企業間取引 / 鉄鋼業 / 日本経営史 / 日本経済史 / アメリカ産業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトでは、鉄鋼業が基礎素材の供給を通じて日米の多くの産業の発展を支えたことに着目して、日米の鉄鋼の企業間取引史についての調査・比較分析を行っている。平成28年度には米史料保存機関を訪問して米鉄鋼業における自動車用鋼材の取引史の1次史料を収集すると共に、海外の関連研究者との意見交換を行った。さらに、複数の海外学会での研究報告を通じて、参加者とのディスカッションを行った。まず、米ハーバードビジネススクールのベーカーライブラリに所蔵される米鉄鋼業及び鉄鋼メーカーの史料を収集するとともに、同大学のワイドナーライブラリでも史料調査を行った。また、ハーバードビジネススクールの経営史研究者達と、経営史における国際比較の方法論、その鉄鋼業の企業間関係史の分析への応用について議論を行うと共に、同ビジネススクールの製品開発論の研究者と製造業の歴史の日米比較についてディスカッションを行った。MIT歴史学部の日本史研究者とも日本の鉄鋼業史における企業間関係についての意見交換を行い、MITのSloan Business Schoolのイノベーション論の専門家とも、企業間関係とイノベーションについて議論を行った。さらに、ハーバード大学Asia Centerが主催するセミナーに参加して、企業間関係についてのディスカッションを行うと共に、ハーバードロースクールの法制史専門家とも企業間関係史の国際比較について意見を交換した。 学会報告を通じた意見交換として、まず、アメリカ鉄鋼業についての専門研究者が多数布陣しているISA(Industry Studies Association)の年次大会(米ミネアポリス)で研究報告を行うと共に、ノルウェーのベルゲンで開かれた世界経営史大会、WCBH(World Congress on Business History)で研究報告を行うことによって、企業間関係史の国際比較について意見交換した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アメリカ側の鉄鋼取引史についての重要な史料の収集が進んでいる。 また、学会発表に加えて、アメリカの経営史及び経済史、法制史、製品開発、イノベーションなどの専門家と、多くの意見交換と助言収集を行い、本研究プロジェクトの方向性がより明確になっている。 それに、アメリカの自動車用鋼材の企業間取引の歴史については、平成29年度に海外学会での研究報告が可能な段階に達しており、さらに、平成29年度には、アメリカの鉄鋼取引史について論文化も可能な段階になった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究調査成果を踏まえて、平成29年度に、米ワシントンD.C.の国会図書館(Library of Congress)でアメリカの鉄鋼の企業間取引史についての史料収集を行う。また、こうしたアメリカの史料収集に基づく分析を行い、その成果をもって、米産業学会の年次大会(2017 Industry Studies Conference)、及びヨーロッパのEBHA(European Business History Association)の年次大会で研究報告する。さらに、アメリカの鉄鋼取引の歴史について研究成果の一部を英文と日本語の論文として公刊する。
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Research Products
(2 results)