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2016 Fiscal Year Research-status Report

イギリス帝国におけるスコットランド人の役割:グラスゴー西インド協会を事例として

Research Project

Project/Area Number 16K03798
Research InstitutionKansai University

Principal Investigator

熊谷 幸久  関西大学, 経済学部, 准教授 (20570253)

Project Period (FY) 2016-10-21 – 2019-03-31
Keywordsグラスゴー / 西インド貿易 / 西インド利害関係者
Outline of Annual Research Achievements

研究初年度となる2016年度には、1807年にスコットランドのグラスゴーの西インド利害関係者によって創設されたグラスゴー西インド協会の通史を明らかにするために、同協会の議事録の内容の調査を主におこなった。また、同時に西インド貿易やプランテーション経営に関する既存の文献を精読した。
グラスゴー西インド協会の設立年が1807年であったことは、T・M・ディヴァインなどの先行研究により、以前から知られていた。しかしながら、これらの既存の文献には、グラスゴー西インド協会がいつまで存続したのかということについての記述が無く、これまで不明であった。2016年度に実施した議事録の内容に関する調査によって、同協会の実質的な活動は、1807年から第二次世界大戦直後の1946年頃まで約140年間続き、その後、1969年に同協会は正式に解散したことが明らかになった。
また、イアイン・ホワイトの著書に代表されるように、既存の研究においてグラスゴー西インド協会の活動は、18世紀末から19世紀前半にかけてイギリス全土で繰り広げられた奴隷廃止運動の文脈の中で論じられる傾向があった。しかしながら、2016年度の調査により、同協会の活動はそれだけに留まらず、ナポレオン戦争時にイギリスが自国の貿易船を保護するために組織した護送船団についての問題や、西インド産と東インド産の砂糖に対する関税率の均一化についての議論など、西インド貿易に関する様々な課題に同協会が関与していたことが判明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

追加採択のため、研究を開始したのが2016年の秋からであり、大学の夏季休業期間中に現地で調査を実施することができなかったこと等が、研究の進捗状況に大きな影響を与えている。

Strategy for Future Research Activity

2016年度の調査により、グラスゴー西インド協会は100年以上の長期にわたり継続して活動していたことが明らかになったことで、限られた研究期間で十分な成果を上げるためには、研究の対象とする時代や出来事を限定する必要があると考えられる。
そこで、2017年度には、19世紀前半の西インド貿易に関連する問題(奴隷廃止問題のほか、これまで論じられてこなかったナポレオン戦争時の護送船団に関わる問題や、東西両インド産の砂糖に対する関税の均一化の問題など)に焦点を当てて、研究を進めていくことにする。

Causes of Carryover

追加採択により、研究開始が2016年の秋からとなったため、現地での資料収集などを含めて、計画に沿うかたちで十分な研究をおこなうことができなかった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度は、今年度実施できなかったイギリスでの現地調査を夏(14日間)と春(10日間)の2度実施するとともに、既存文献の収集も継続する。そのための費用を次のように見込んでいる。
夏に実施する1現地調査の渡航には総額650,000円(大阪―グラスゴー間の往復費用:往復300,000円、宿泊費:1泊20,000円×14日間=280,000円、日当:5,000円×14日間=70,000円)、春に実施する現地調査の渡航には総額550,000円(大阪―グラスゴー間の往復費用:往復300,000円、宿泊費:1泊20,000円×10日間=200,000円、日当:5,000円×10日間=50,000円)の必要経費が見込まれる。
そのほかに、イギリス経済史関係図書の購入費として206,399円、複写代として30,000円を見込んでいる。

URL: 

Published: 2018-01-16  

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