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2017 Fiscal Year Research-status Report

戦後日本における「新技術ベンチャー」創出環境の形成と変容

Research Project

Project/Area Number 16K03801
Research InstitutionHannan University

Principal Investigator

浅野 敬一  阪南大学, 経済学部, 教授 (30369946)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 河村 豊  東京工業高等専門学校, 一般教育科, 教授 (10369944)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords史料収集 / 文献調査 / インタビュー / エンジニア / 教育
Outline of Annual Research Achievements

1.文書資料の調査、収集、分析:統計データを用いてエンジニアの動向をマクロ的に明らかにすることに取り組んだ。これにより、学歴別(旧制・新制別を含む)にエンジニアの賃金や勤続年数等をある程度明らかにすることができた。ただし、本研究が対象とする時期の前半については、戦後の混乱もあり統計そのものが未整備な場合がありデータが不足していることも判明した。一方、よりミクロの情報として「中小企業労使関係実情調査」(神奈川県ほかを調査)の個票データを収集した。対象企業は限られているが、当時の状況をかなり詳細に把握することができた。さらに、国立公文書館等においては文部省等の政策立案過程の文書、国会図書館・大学文書館等では、エンジニア教育と卒業生の動向に関する資料をそれぞれ収集した。
2.28年度の研究を踏まえ、論点の新たな展開として「軍民融合論」および「軍民分離論」を追加した。これは、戦前から戦中への「民軍転換」、戦中から戦後への「軍民転換」という現象を統合的に分析するためのツールとして導入したものである。冷戦後のアメリカ等での軍民転換問題の中で登場した新たな動向を付け加えることで、戦後日本の分析をより多角的に行えるようになった。関連して、冷戦後の軍民転換に関わる資料入手および分析を行い、近年の日本の防衛装備庁による「安全保障技術研究制度」を事例として民軍転換、軍民融合の動きも、比較研究として調査した。
3.論文、書籍、口頭発表により、これまでの研究成果の中間報告を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1.資料の収集等はほぼ計画通りに進めることができた。ただし、「研究実績の概要」でも述べた通り、統計データの内容が、本研究の目的を達成するには不十分であることも判明した。一方で、新たに、大学の卒業者名簿等から、エンジニアの動向をかなり把握できるめどもついた。よって、利用資料に変更は生じるが、研究の目的達成にも支障がないと考えている。
2.近年の防衛装備庁「安全保障技術研究制度」に関わる問題を追加することで、戦後日本における軍民転換過程を分析しなおした。その成果の一部については、神戸大学国際文化学研究科で開催された「軍事研究の歴史を(神戸から)考える」という研究会(2017年12月2日、神戸大学国際文化学研究科・塚原東吾教授主催の研究会にて発表した(発表タイトル:「「軍民融合論」登場の現状を踏まえた戦時・占領期科学の分析」).今後は、その発表で利用した新たな評価説(戦後の条件作り説)について論文としてまとめたい。
3.昨年度実施状況報告書の計画のとおり、エンジニア教育と軍民転換に関する部分については、一定の成果報告を行うことができた。

Strategy for Future Research Activity

1.エンジニアの供給側である大学と需要側である企業との関係を明らかにする。とくに、教育制度の変化や旧軍からの放出エンジニアの枯渇が生じたことが、企業側にどのように問題として認識されたのか、また解決に向けてどのよう方策がとられたのか、これまでの研究をもとに論文を執筆する。
2.戦後の軍民転換の実証調査として、海軍技術者(技術士官、技師、嘱託)から民間エンジニアへ転換した人物を新たに10人ほど選び、戦時中の活動が戦後の民間企業での技術者としての活動にどのように関係があるか、調査する。
3.最終的な取りまとめの前に、研究代表者と研究分担者を中心に、これまでの成果について議論する機会(ワークショップなど)を設ける計画である。

Causes of Carryover

繰越額が生じたのは、他の用務を兼ねるなどにより、旅費の一部が節約できたためである。次年度においては、書籍購入と旅費に用いる計画である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2018 2017

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 戦時下日本で科学者はどのように軍事研究に関わったか2018

    • Author(s)
      河村豊
    • Journal Title

      天文月報

      Volume: 111 Pages: 202-211

    • Open Access
  • [Presentation] 社会実装教育が求められる背景を考える2017

    • Author(s)
      浅野敬一
    • Organizer
      日本工学教育協会第65回年次大会
    • Invited
  • [Presentation] 「軍民融合論」登場の現状を踏まえた戦時・占領期科学の分析2017

    • Author(s)
      河村豊
    • Organizer
      軍事研究の歴史を(神戸から)考える
  • [Book] 高専教育の発見―学歴社会から学習歴社会へ―2018

    • Author(s)
      矢野眞和、濱中義隆、浅野敬一編
    • Total Pages
      233
    • Publisher
      岩波書店
    • ISBN
      978-4-00-022959-3

URL: 

Published: 2018-12-17  

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