2016 Fiscal Year Research-status Report
女性起業家の事業成長・事業継続に影響を与える要因に関する研究
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16K03818
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| Research Institution | Senshu University |
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Principal Investigator |
鹿住 倫世 専修大学, 商学部, 教授 (00349193)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 徳行 武蔵大学, 経済学部, 教授 (60366838)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 起業家 / 女性 / 事業継続 / 事業成長 / 自己効力感 / 制度的支援 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、おおむね研究計画に沿って、関連文献の収集・レビューと女性起業家に対するアンケート調査データの分析、分析結果の解釈と理論モデルの構築を行った。その過程で、女性起業家と男性起業家の自己効力感や公式・非公式の制度的支援の活用における業歴による変化および相違を把握しておく必要が生じたため、日本政策金融公庫総合研究所が実施した「新規開業パネル調査」（第一コホート、第二コホート）のデータを取り寄せ、分析することとした。
また海外で開催された国際学会や研究会に参加し、女性起業家や起業家活動とジェンダーに関する分野の研究者と意見交換し、研究の方向性に対して多くの情報や示唆を得ることができた。例えば、スイスで開催されたRencontres de St-Gall 2016では、イギリスやドイツ、スイス、イタリアなど欧州諸国の研究者とディスカッションし、女性や女性起業家がおかれた状況について、日本のコンテクストを明確にし、それに基づいて私たちの調査データを分析・評価すべきとの意見を得た。先行研究から得られた理論モデルに即して日本の女性起業家の状況を当てはめると、諸外国の研究者からはやや理解できない部分があるらしく、日本のコンテクストをわかりやすく説明することが求められていることがわかった。
これまでの研究成果を取りまとめ、専門分野の研究者からの意見を得るため、国際的なジャーナルに投稿し、レフェリーからの意見を得て論文の修正を試みている。また、日本国内の学会でも中間的な研究成果を報告し、研究者からの意見を得てさらなる研究の発展につなげるべく、研究を継続している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり、すでに実施した女性起業家向けのアンケート調査の分析を行い、理論モデルの構築を行っている。また、当該理論モデル構築やインプリケーションの具体化に向けて、女性起業家へのインタビュー調査も実施している。理論モデルの精緻化を行うため、当該分野の国内外の研究者と意見交換を重ねており、その結果、さらに次年度に向けて収集すべきデータや検討すべき項目の確認をすることができた。
研究開始１年目であるが、研究の中間的とりまとめとして、国内外の学会で研究報告を行うとともに、海外著名ジャーナルへの論文投稿も行い、査読中となっている。また、国内研究雑誌へ研究論文が掲載された（査読なし）。
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| Strategy for Future Research Activity |
2年目である平成29年度は、これまでの国内外の研究者との意見交換や、国際的なジャーナルへの投稿によって得られたトップクラスのレフェリーからの貴重なコメントを咀嚼し、更なるデータの収集と分析を行うこととする。すなわち、日本のコンテクストとして、女性や女性起業家がおかれた状況を各種の統計データや先行研究によって明確に提示すること、そして男性起業家へのアンケート調査の実施により、起業家活動におけるジェンダー間の相違を明確にすること、さらにアジアの先進国、新興工業国における女性の起業家活動との比較調査（例えば台湾、香港、韓国、ベトナム等）の実施による、日本の特殊性と普遍性の確認を行う予定である。
平成29年度も、国内外のジャーナルへの投稿や学会での研究報告を行い、本研究の成果を広く学会に問い、研究者からの意見を得てさらに研究を精緻化していく予定である。研究期間3年目に向けて、研究のとりまとめと国内外への情報の発信、研究成果の社会への還元を行うことを企図している。
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| Causes of Carryover |
当初平成28年度に実施を計画していた、男性起業家へのアンケート調査および、台湾・英国の女性起業家へのアンケート調査の実施を見送ったためである。平成28年度は、国内女性起業家へのインタビュー調査の実施や、すでに収集しているアンケート調査データの分析および理論モデルの構築、国内外学会での発表と意見交換に力を入れた結果、男性起業家への調査の必要性と目的を再度見直したためである。台湾の女性起業家へのアンケート調査は、当初実施について協力を得られると思っていた政府機関から、個人情報保護の観点から協力は困難であると告げられ、別の方法で調査サンプルを収集し、調査を実施する必要性が生じたためである。英国の女性起業家への調査も、適切なサンプルの収集を行うための協力先の選定が困難であったため、実施に至っていない。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、これまでの研究成果を踏まえ、日本の男性起業家へのアンケート調査を実施する計画である。また、台湾、韓国、香港、ベトナム等での女性起業家に対するアンケート調査も、民間調査機関等を活用してサンプルを収集できるめどが立ったため、実施する予定としている。
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Research Products
(5 results)
