2018 Fiscal Year Research-status Report
大規模サンプルによる組織特性・IT投資・経営成果の関係に関する詳細研究
Project/Area Number |
16K03823
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
平野 雅章 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (00165193)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | IT投資 / 経営成果 / 組織特性 / 組織IQ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、企業について(1)組織部分特性が、IT投資水準と経営成果との関係に及ぼす影響、(2)IT投資水準と組織部分特性との関係、の二点について、大規模データベースの構築・分析を、専門家やサンプル企業への聞き取り調査に基づく定性的分析と組み合わせることにより、立体的に理解することを目的とした実証研究である。研究方法としては、(1)IT投資の成果を、組織・IT投資水準・経営成果の3変数群の関係と捉える枠組、(2)『経済センサス』データと『情報処理実態調査』データを組み合わせて分析する方法論、の2点が国内の他研究と比較して大きな特色となっている。 平成30年度中の主要な目標は、適切な『経済センサス』データと『情報処理実態調査』データ名寄せにより大規模データベースを構築すること、および方法論や研究枠組等について関連研究者と意見交換を行うことであった。大規模データベースの構築は、本研究課題の基本となるべき作業であり、爾後の分析の前提となる。作業としては本研究課題中最大の所要工数が予想されたが、実際に研究を開始しテストデータを使っての2データベースの統合作業を試行したところ予想以上に工数が掛かり、効率化にもかかわらず、次項に述べるような個人的事由もあり、統合作業を完成することはできなかったことから、研究課題の延長を申請することとなった。 一方、関連研究者との意見交換を通じて、組織成果に影響を与える要因として組織IQで測定される機能面だけでなく、組織成員の動機的・情緒的側面を支持する組織基盤をも考慮する必要性が浮上して職場のウェルビーイングに関する実証研究を始めた。また、組織IQ枠組を企業以外の組織にも適用して枠組の有効性を検討するために、研究組織を対象とした間接部門の研究プロジェクトをフランスの研究者と構想し始めた。いずれも、次項にあるように、研究集会で報告している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上記のように、本年度は、方法論等について関連研究者と意見交換は経常的な研究会の他、研究集会(経営情報学会全国研究発表大会、Asia-Pacific Conference on Information Systems 2018)等への出席を通じて精緻化を進めた。年度中申請者の家族の介護が必要となり、また申請者自身が入院する事態もあって、作業はかなりの遅れが出た。 組織成員の動機的・情緒的側面を支持する組織基盤の研究が進んだ。また、組織能力を検証する対象として研究組織を取り上げる企画がフランスの研究者との共同研究で動き始めた。 一方、大規模データベースの構築作業については、テストデータ上の試行で二つのデータベースを統合(名寄せ)する作業が予想外に工数を要することが分かり作業は大幅に遅れたが、統合作業を継続した。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記のように、平成30年度中のデータベース構築作業は大幅に遅れた結果、当初の目的達成を目指して、当研究課題を延長することとした。 令和元年度の前半は、新たなデータベースの利用も視野に入れてデータベース統合作業に集中し、後半から分析に入る予定である。また、聞き取りを中心とする定性的な調査や研究集会における報告は併行して行う。
|
Causes of Carryover |
年度中申請者の家族の介護が必要となり、また申請者自身が入院する事態もあって、作業と執行にかなりの遅れが出た。
|
Research Products
(5 results)