2016 Fiscal Year Research-status Report
スウェーデンの企業統治における対話型労使コミュニケーションの役割に関する研究
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16K03834
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
岸田 未来 摂南大学, 経済学部, 准教授 (60342424)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | スウェーデン企業 / 労使関係 / 従業員代表制 / 共同決定法 / 対話型コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1980年代以降に進んだスウェーデン企業の大胆な事業構造再編やグローバル展開において、企業統治の各階層に組み込まれている労使の対話型コミュニケーション制度が、その実行プロセスにいかに寄与しているのかの解明にあった。初年度の課題は、主にスウェーデン企業の統治体制における対話型コミュニケーションの実態を、マクロ的に明らかとして、分類・分析することで次年度以降の研究の基礎を作ることであり、主に、①公表されているデータ・資料等より、1980年代以降のスウェーデン企業における対話型労使コミュニケーションの全体状況を分析すること、②時期・企業規模・業種等の点から区分した中で、スウェーデンの企業統治における労使コミュニケーションの典型的特徴を抽出することであった。この当初研究計画に照らしての研究実績は、まず現地調査を1回実施し、①については上場企業における、取締役会従業員代表の全体的存在を網羅している資料を入手することができた。②については、従業員代表が活発に活動している事例として、民間病院、中規模製造企業、大手製造企業の3社について、実際の従業員代表の活動状況や共同決定の実施についてインタビューを行うことができた。さらにスウェーデンでの調査を補うものとして、スウェーデン企業の日本法人にてインタビューを行い、スウェーデン的労使コミュニケーションの日本への導入状況について調査を行った。ただし研究費の交付が年度途中からであったために、時間的制約から海外現地調査が一回しか実行できず、また入手したデータは現在分析中であるために、まだ研究成果として発表されているものは多くはない。これらデータを用いた研究成果の発表は次年度に集中して行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の研究費交付が10月となったために、本研究計画の中心となる年に2回の海外現地調査が1回のみの実施となった。また本来は1年間をかけて分析する予定であったデータも、半年間では十分に検討する時間が確保できなかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究費交付の半年間の遅れを考慮に入れれば、研究の実施状況はおおむね順調であるといえる。したがって、交付が遅れた半年間分の研究計画内容を翌年度へずらすことによって、本研究計画は予定通り3年間で実施可能であると考える。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、研究費の交付が10月となったためである。初年度の研究期間が、計画の一年から半年間短縮されたことで、本研究計画の柱となる海外現地調査を1回実行することができなかった。この費用が主に残額となっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度に残額を持ち越し、研究計画の2年目において可能であれば、2回の予定であった海外現地調査を3回へと変更するが、日程的に困難であれば、研究計画の実行を研究費の交付から3年間へと全体的に後ろ倒しする。
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Research Products
(1 results)