2017 Fiscal Year Research-status Report
セル生産における作業者適性の測定と活用方法に関する実験研究
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16K03848
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
董 彦文 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (90292458)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | セル生産 / 適性 / 外れ値 |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度では,一般職業適性検査(GATB)とFive-Factor Model (FFM)による性格検査を活用し,セル生産における作業者の適性を正確に測定するために,検査結果から外れ値を検出のうえ,外れ値の影響を除去したあと,様々な解析を行った。また,作業環境と作業効率との関連を調べた。主に以下の成果を得られた。 (1) 厚生労働省編一般職業適性検査(GATB)を用いて作業者の適性を測定したところ,GATB検査結果とセル生産実験データには外れ値があった。これらの外れ値の影響で有意な解析結果があまり得られなかった。外れ値を検出・除去したうえ,GATB検査結果と作業効率との関連を再解析した結果,書記的知覚が作業効率に有意な負の相関,空間判断力と形態知覚が作業効率に有意な正の相関をもつことがわかった。 (2) Five-Factor Model (FFM)を適用し,5つの視点から作業者の個人差を測定するために,FFMの短縮版FFPQ-50を用いてアンケート調査を実施した。セル生産実験とアンケート調査結果から外れ値を検出・除去したあと,FFPQ-50の測定結果と生産効率との関連を調べた結果,内向性,非情動性と遊戯性が生産効率と有意的な正の相関をもつことがわかった。 (3) 適性評価と時間測定における外れ値について詳しく検討し,外れ値が見つかった作業者の特徴を解析した結果,外れ値はセル生産に対する適性が比較的に低い作業者だけに発生することがわかった。これにより,適性測定結果における外れ値の検出を通して,適性の低い作業者を発見できることが示唆された。 (4) 作業者の内在的な適性だけでなく,作業環境も作業効率に影響を与えるため,作業者同士の競争意識と作業効率との関連について実験研究を行った。その結果,作業者同士の競争意識を持たせることにより作業効率を20%ほど改善できることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サンプル数が十分に多くないため,統計的検定には特に問題にはならなかったが,解析結果は多少不安定なところがあった。
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Strategy for Future Research Activity |
H30年度も引き続け実験を行い,サンプル数を増やす。また,大学の実験室では実施できない実験データを取得するために,地元の企業と共同研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
(理由) 学術誌への投稿論文の掲載料として利用する予定であったが,レフェリーと訂正に時間がかかりH29年度に掲載できなかったため,残額が生じた。 (使用計画) 備品および論文掲載料に利用する。
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