2016 Fiscal Year Research-status Report
プロセス産業と組立産業の製品開発システムの比較研究
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16K03851
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桑嶋 健一 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 准教授 (50313086)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | プロセス産業 / 製品開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、組立産業との比較の観点からプロセス産業の製品開発の特徴と有効なマネジメントを説明する包括的なフレームワークを構築することにある。プロセス産業は、加工組立産業と並んで、製造業部門の二本柱の一つである。工業国の製造業の出荷額に占めるプロセス産業の比重は大きく、日本でも約40%である。こうした社会経済的な重要性の一方で、学術研究では、プロセス産業の研究開発や製品開発に関する注目は低く、世界的にみても研究蓄積は少なかった。近年、専門学術雑誌で特集号が組まれるなど、注目度が高まり、研究蓄積も進んできた。しかし、既存研究のほとんどは、個別産業を対象とした研究であり、組立産業とプロセス産業の製品開発プロセス、マネジメントの共通点や相違点、それを包括的に説明するフレームワークは十分に整備されていない。本研究は、このリサーチギャップを埋めることを目指している。 プロジェクト初年度である本年度は、プロセス産業、組立産業の製品開発に関する情報を収集するためにフィールド調査を進める一方で、フレームワークの土台作りに力をいれた。フレームワークの構築にあたっては、アーキテクチャ論をはじめとした最新の理論や視点を取り込むことも確かに重要であるが、古典的な理論に立ち返ることが有効ではないかと考え、最新の文献のレビューに加えて、イノベーション論の古典をレビューし、そこで用いられている概念の再検討、現代的な解釈に力をいれた。本年度は、本研究プロジェクトの初年度であり、全体の土台作りの段階であるが、本研究で得られた知見の一部についてはコンファレンスで報告するとともに、学術論文としても発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体としてほぼ計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、フィールド調査と理論構築を並行して進めていく。
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Causes of Carryover |
研究成果の海外学術誌発表を視野にいれて、支出を抑えた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した助成金については、主に海外学術誌への投稿に使用する予定である。
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