2017 Fiscal Year Research-status Report
アントレプレナーシップ教育における協業コスト最適化効果の計測
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16K03853
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤 祐司 東京工業大学, 工学院 経営工学系, 特任准教授 (20401557)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アントレプレナーシップ教育 / グループワーク / リファレンスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本の教育現場に適したアントレプレナーシップ教育の提案を目的とし、その焦点として、同教育の重要な構成要素のひとつであるグループワークに注目し、グループワークにおける時間・コミュニケーションを含む各種のコスト構造の把握およびそれらの最適化による作業プロセスやアウトプットの効用最大化を追求する。 その際、研究代表者の、グローバルアントレプレナー育成促進事業に参画する東工大のアントレプレナー教育教員としての立場を最大限に活かし、まずは、(1) 日米欧および新興国の関連大学との交流を通じた日本の最新アントレプレナーシップ教育のトレンドを把握、(2) イノベーション創造に関わる産官学の事例をベースとしたリファレンスモデルの開発および同モデルの教育現場での適応およびデータ収集・解析、を同時並行的に行うこととしている。 3年計画の2年目となる本年は、1年目に構築した研究体制の深化を図るため、日本およびエジプトを中心とした海外訪問などにより、関連大学の教員および企業家との連携を引き続き推し進めた。またグローバルアントレプレナー育成促進事業選定機関を中心に、日本の最先端アントレプレナーシップ教育の概要把握および欧米の研究機関のスキルの活用過程についてサーベイを行った結果を基に、収集したデータを基にシステムダイナミックスの手法によるシミュレーションを行い、モデルの構築を行った。以上の結果を念頭に、東工大およびE-JUSTでのアントレプレナーシップ教育の実践を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究体制の構築としては、グローバルアントレプレナー育成促進事業に参画する東工大のアントレプレナー教育教員としての立場を活かし、東工大およびE-JUSTにおけるアントレプレナーシップ教育の機会を計画に提示した通りに得ることができた。また、それぞれにおいて関連分野の大学教員との交流および企業からの講師の招聘による状況把握の深化に務めることができた。 並行的に行うモデル開発に関しては、イノベーション創造に関わる産官学のプロジェクトマネジメント事例をベースにした独自のリファレンスモデルの開発を目的に、日本の代表的企業においてリファレンスモデルの開発・適用に関わった研究者との交流・共同研究体制の構築を進め、共同で国際学会発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに、アントレプレナーシップ教育に関する研究・事例のサーベイの収集を進めるとともに、実地検分を通じた定性的・定量的なデータ収集を行った。また、以上のサーベイを基に、アントレプレナー教育プログラムの日本および諸外国の普遍的・特殊的傾向を明らかにした上で、グループワークにおける教員・学生双方にとっての評価リファレンスモデル開発を行った。企業の業務プロセス改善の評価指標作成過程を参考に、感情などの質的データの定量化を含めた、アントレプレナーシップ教育におけるグループワークのアウトプットを可視化しうるモデルの開発を目的に、日本およびエジプトでのアントレプレナーシップ教育の現場での実検証を行うことで、モデルの有効性を確認するとともに、フィードバックを得ることを期待する。
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Causes of Carryover |
アントレプレナーシップ教育に関する教育機関に蓄積されたノウハウなどの収集を目的に、多くの起業家を配するフィンランドにおける教育系大学であるユヴァスキュラ大学への訪問を計画し、旅費等を計上していた。しかし、訪問先のユヴァスキュラ大学への別件での招聘訪問の際に、十分に本研究に関する目的を達成するだけの時間が得られることが判明した。そのため、当初計画していた本研究の経費による訪問を、上記の共同研究によるユバスキュラ大学からの招聘による訪問で代替することとした。以上による本研究への影響は極めて軽微であり、研究の進捗に影響はないものと考える。 次年度の使用計画としては、フィンランド・ユヴァスキュラ大学への訪問を追加的に行うこととし、構築した関係の深化、研究の更なるフィードバックを期待する。
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Research Products
(8 results)