2018 Fiscal Year Annual Research Report
The positive study on the decommoditization strategy through branding by experience and word-of-mouth advertising
Project/Area Number |
16K03858
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
白石 弘幸 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (60242707)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ブランディング / ブランドロイヤルティ / レピュテーションリスク / 経験価値 / 脱コモディティ化 / 体験型施設 / 口コミ / 食育 |
Outline of Annual Research Achievements |
口コミと評判の形成主体である一般消費者に自社とそのコーポレート・ブランドに対する好感、ロイヤルティを形成するために、原材料のメーカーが体験型のPR施設を活用してどのようなPR活動および経験価値形成を行っているかを訪問調査した。日清製粉グループは群馬県館林市に「製粉ミュージアム」を開設し、小麦粉に関する趣向を凝らした展示と体験プログラムを提供し、同社の小麦粉とコーポレート・ブランドに経験価値が形成されている。また株式会社LIXILが愛知県常滑市に設置しているINAXライブミュージアム「土・どろんこ館」では、土と泥に関わる体験を通じてこれらへの親近感が大人に加えて子供達にも形成されており、素材としての土のすばらしさと可能性を来場者に身をもって体感させることに成功している。こういった活動は次世代育成の観点でも意義が大きく、両社の「良き企業市民」としての存在性を強化している。これが認識されることによる大きなマーケティング効果とレピュテーションリスクに対する強い耐性を生むことにもなっている。 また食品メーカーにおけるレピュテーションリスクの軽減策として公開体験型PR施設における食育を取り上げ、ヤマト醤油味噌とヨコオデイリーフーズを訪問調査した。この公開体験型PR施設の設置とそこでの食育の意義は次のようにまとめられる。第一に、当該食品に対する正しい理解の普及を促進し、消費者側の行動や理解不足に起因する不満、健康被害の発生を抑止することにつながる。第二に、経営理念や事業内容、ものづくりを開示することによって、地域住民や消費者の不安と不信感を抑制している。 さらに、循環型生産と緑地整備等の環境経営がブランディングと脱コモディティ化、心理的差別化に対して持つ意義について調査・研究し、当該意義が大きいことを明らかにした。効果・意義の把握はトリップアドバイザー等のネット口コミ精査を通じて行った。
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