2019 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of Entrepreneurial Idea Based on Formation of Intersubjective Cognition of Environments via Managerial Vision
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16K03881
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
吉田 猛 青山学院大学, 経営学部, 教授 (00200999)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 起業認知 / 経営視覚 / 合理性と反合理性 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度で行ったことは、以下の通りである。前期では、前年度までに経営視覚に関して行った理論的な研究の成果についてさらに詳細な検討を加えるとともに、起業者思考における顕著な特徴と考えられる三つについて文献の渉猟を行った。その三つの特徴とは、視点取得、展望的思考、反事実的思考である。それぞれ簡単に説明すると、他者の思考の基盤となる「視点」を捉えて、自らの思考に役立たせようとするタイプ、未来の出来事を心の中で表現し思考実験的に動かすことで思考を行うタイプ、そして過去の出来事や因果とは別の(時に正反対の)出来事や因果を想定するという思考のタイプである。これらが経営視覚とどのように関係するかに関して理論的な検討を行った。 後期では、前期の理論的な検討結果を的確に反映できるように質問票を何度も検討した上で最終的に質問票全体の設計を行った。完成した質問票を基に、調査を2019年10月にウェブで実施した。547名の企業経営者から回答を得て、それについて分析を行った。分析は単純集計、相関分析を行った後、経営視覚に基づき、合理的な状況判断および意思決定を行う集団と、それとは対極に合理性を極力抑えた集団とに二分して、それらの間にどのような差異があるかについて検討を行った。まず全体の単純集計と対比するため、二つの集団に関しても単純集計を実施した。また、その二つの集団についてそれぞれ相関分析を加え、最終的に二つの集団にどのような差異があるかを見るためにt検定を行うことにした。最終結果については、2020年3月までに論文にまとめたが、現在最終的な検討や内容の推敲を行っており、2020年末には公刊できる予定である。
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Research Products
(4 results)